LAVAブログ / "4Vida 全曲解説"
みなさん、久しぶりのブログです。おそらく僕はブログという言葉を分かってないような気もしますが、またお付きあいください。
8年振りの新作"4Vida"を4月11日にリリースします。全12曲の曲解説を書いてみました。是非ご覧下さい。絶対欲しくなります。
001: Time To Fly feat.Miriam Aida&Roman Andren
2008年に偶然にも買った1枚のアルバム、"Juanita"。アーティストはRoman Andrenというスウェーデン人のピアニストでした。僕はこの男のソングライターとしての才能、音作りのユニークさ、そしてアルバム全体を通したストーリーの演出力、全てに魅了されたのです。その後Romanが2009年に来日した際、勝手に彼に曲を作り、僕の得意技のひとつでもある「直談判」をしにコットンクラブまで向かいます。
そこから僕の4枚目のアルバムへの闘志に火がついたと言えます。僕が作った曲を気に入ってくれたRomanは
「スウェーデンにおいで」とのこと。出来立ての2曲のデモを持って真冬のスウェーデンで録音した1曲がこの"Time To Fly"です。シンガーは北欧でも第一線で活躍しているMiriam Aida。彼女の起用は僕がRomanに頼みました。
作曲家として、特に今は「爽快感」や「躍動感」を含む曲、それも文句なしに気持ちの良い音楽を作ろうという使命感に包まれています。そんな想いにさせてくれた、今では大切な友人にもなったRoman Andrenに僕は心から感謝と尊敬の念を抱きつつ、みなさんにとっての"Time To Fly"がこの曲と共に訪れることを願っております。
Roman Andrenオフィシャルサイト
Miriam Aidaオフィシャルサイト
002 : Brazilian Waver feat.Frances Maya
友人でもあり弟のような男だったNujabesことセバジュン。彼のアルバム "Modal Soul"に収録された"Ordinary Joe"を実は僕がリミックスを手掛けていて、その最中にジュンは亡くなりました。僕が使っていたのはTerry Callierの歌のデータだけだったので、トラックは全てリミックスというよりも作曲と言えるものでした。作りかけたリミックスを彼の死後、さらにアレンジを加えて全くのLAVA流ブラジリアンハウスに変えたのがこの" Brazilian Waver"。シンガーにはFrances Mayaを起用。この太さとこの素材感、そして匂いがこれからやって来ると予感される南米ブームに繋がっていければと思っています(タイトルもまさに!)。
そしてジュン、君をきっかけに出来た曲です。キックでかめ、トラックのインパクト、音のレイヤー、全てが天高く、鳴り響いていると思うよ。
さあ、みんなで体をブラジル風に揺らしましょう!
Frances Mayaオフィシャルブログ
003 : Sentimentos feat.Wilma de Oliveira
直談判もそうなんですが、僕が神様からもらった最高の得意技、それは空から降ってきたメロディーをキャッチして曲を作るという作曲方法。2012年4月のリリース日も決まり、残りの作曲について頭を悩ませていた今年の初め、何気なくいた自宅のベランダでこの曲の全てが降ってきました。その瞬間僕はブラジル人女性シンガーのWilmeに電話をしました(彼女の声まで空から聞こえててきたので)。ブラジルに帰っていたWilmaに歌詞と歌を依頼し、サンパウロの広大な自然の中で彼女は"Sentimentos"を書き上げます。
アルバム中唯一のボサノヴァであり、甘く切ないメロディーが風に乗ります。やはり空からやって来た音楽は、空に戻っていくんでしょうね。
Wilma de Oliveiraオフィシャルサイト
004 : Sharing Love feat.boheminanvoodoo&Frances Maya
僕が4年程前から続けている"LAVA Lounge"というライブイベントがあります。お薦めのアーティストのライブを毎月1回、六本木ミッドタウンのA971というレストランで紹介するのが"LAVA Lounge"なんですが、アルバムの制作を始めた頃から、このイベントに出演したアーティストを起用して曲を作ろうと思っていたのです。 bohemianvoodooは横浜出身の若きジャズバンド。彼等のメロディーセレクトはキラリと光るものがあると感じた僕はこの曲を作り、さあ録音するぞとスタジオをとったら2011年、3月11日に東北地方太平洋沖地震が起こりました。スタジオを予約した日は3月12日だったのです。それから何ヶ月後に録音し直したかも今や覚えていないのですが、同じく"LAVA Lounge"にも出演し、この曲で歌詞を書き、歌とリーディングを担当するはずだったシンガーのMedbyがめでたく妊娠し、参加が不可能となり、ピンチヒッターとしてFrances Mayaが語り、歌ってくれました。それは今年に入ってからでした。いやいや、色々起きます。。
"Sharing Love"は僕の曲でもよく登場する打ち込みと生演奏の融合を目指したもの。上手くいかない場合はとことんミックスされないのですが、Medbyの書いたピースフルな言葉の数々と、bohemianvoodooのパフォーマンスへのパッションが、何かそういったアレンジのきめ細やかな部分さえもぶっ飛ばし、大きな「愛」でまとまった気がします。自然の猛威で延期された音楽が、自然の素晴らしさを歌っています。これも "Sharing Love。
boheminanvoodooオフィシャルサイト
005 : 4Vida
アルバムタイトル曲です。この"4Vida"の意味を説明すると、4は4枚目のオリジナルアルバム。"Vida"はスペイン語で"Life"。すなわち"4(For) Life"となるわけですが、音の響きと雰囲気を重視した感が強いですね。もちろんアルバム自体は自信作ですから、みなさんの生活のお共になっていただければという想いは強いのですが。
「音の響きと雰囲気」、まさに僕がトラックを作る時のテーマでもあります。アルバム中唯一のインストナンバーであり、まさに雰囲気重視。時間がなく、デモを作れなかったので、参加してくれたミュージシャン達に僕の「歌声」で全てのアレンジをスタジオで伝えました。このメロディーも確かベランダだったような気が。
006 : What Of My Heart feat.Miriam Aida&Roman Andren
1曲目の"Time To Fly"と、この" What Of My Heart"がスウェーデンのマイナス16度の中でレコーディングしてきた曲です。僕がサウンドプロデュースを手掛ける東京のヘアサロン、ACQUAのためのコンピレーションCD(2010年リリース)の1曲目に収録されています。ユニークなメロディーラインをMiriamが実に見事に歌ってくれていますが、途中スタジオで彼女とディレクションをめぐり気まずくなり、衝突し、(海外ではよくあるんです)Miriamは出て行ってしまったんですが、なにせ外は極寒。すぐに帰ってきましたよ(笑)。生演奏の質感とMiriamのボーカルスタイルが「LAVA的」に結ばれた1曲と言えます。
Roman Andrenオフィシャルサイト
Miriam Aidaオフィシャルサイト
007 : 闇夜に放て feat.Saigenji
実はサイゲンジとはデビューした年が同じで(僕の場合はデビューって感じではないですけど)、当時は一緒に地方プロモーションに行ったり、僕がDJをしている現場に彼に演奏しに来てもらったりと、よく顔を合わせていました。でもこの8年ぐらいはSaigenjiとは会っていませんでしたが、3月11日の震災後に 「闇夜に放て」のメロディーと歌詞は生まれ、気が付いたらサイゲンジに電話していました。「君以外は歌えない」と。
僕がLAVAとして日本語で音楽を作るのは始めてなんですが、ここに至る経緯はあくまでもナチュラルで、アルバ
ムに日本語を入れてバランスがとれるのかな?といった迷いも一切ありありませんでした。それぐらいこの曲は作るというよりも、届けるといった意識の方が強かったのでしょう。トラックに個性と独特のメッセージを加えたかったので、以前僕のアルバム"Mundo Novo"にも参加してくれたセネガル出身のLatyr Syが、ジャンベと歌を録音してくれました。これは彼流の「祈り」だそうです。
「星を頼りに、この情熱を武器に」、サイゲンジが爪弾く愛の歌が闇にささります。
Saigenjiオフィシャルサイト
008 : Loco Babe feat.Mina Martinez
キューバ人と日本人のハーフでもあるMina Martinezと知り合ったのはもう10年前も前のことで、当時彼女はまだ20歳になったばかりでした。ある企画のアルバムで僕が彼女のために3曲新曲を作ったんです。実は今でも僕はその"Jamzz"というアルバムが好きでよく聴いているんですよ。その後僕のコンピレーションや企画もののアルバムで何度かMinaに歌ってもらいましたが、彼女の個性でもある「声」が変わってしまったと感じました。なんだか「大人っぽく」なっちゃったんです。
このラテンとは全く言えない曲。実は2年以上前からトラックを作り出していて、アルバムを作るというイメージがない頃からProtoolsをこねくり回していた記憶があります。仮歌を自分で入れていた時、「Minaがいいんじゃないかな?」と思い電話。久しぶりに会ってみたら彼女はもっと大人にはなっていましたが、声が元に戻ったんでは?と感じさせてくれました。この曲だけは唯一我が家で全て録音しました。その質感とMinaの独特な浮遊感がたまらない存在感を生み出しています。
Mina Martinezオフィシャルサイト
009 : Between The Shadow And The Sun feat.Roman Andren
今回のアルバム中、最後に出来たのがこの曲です。"Between The Shadow And The Sun"という言葉とメロディーは同時に降ってきました。確か歩道橋を歩いている時だったと思います(ジムに行く前かな?)。曲が男性のイメージだったので、始まりがRoman Andrenだったんだから、終わりも彼にしようと思い、すかさずコンタクト。もうスウェーデンに行っている時間はないので、データのやりとりで完成させました。このナンバーに関しては彼は歌だけの参加です。もしRomanを日本に呼ぶ機会があれば、是非一緒にライブでやってみたい1曲でもありますね。
Roman Andrenオフィシャルサイト
010 : Trance Human feat.XS
"4Vida"のもうひとつのテーマに「音を太く仕上げる」というのがありました。これはキックやベースを大きくするとか、マスタリングでLowを強調するとか、そいういったことではなく、音楽そのものが持っている「太さ」を大切にすることにあります。簡単に言えば「太い曲を作る」ということ。現代の圧縮された音に慣れてしまった人達に、良質でがっちりとした音を提供したいという、音楽家+DJとしての念があります。
元エスカレーターズであり、現XSの「音にこだわる」アーティスト兼キーボーディスト、堀越あきひろさんと共作でクリエイトしたトラック、それが"Trance Human"。ブリブリしてますよー!今回堀越さんは他の曲でも素晴らしいピアノやエレピを披露してくれていますが、1曲だけ、彼の、彼らしいトラックを作りたく、まず最初に出来た堀越さんのエレピフレーズに僕がスキャットのメロディーラインを作り、ドラムトラックをプログラミングして、その後ベースや上もののキーボードパートを堀越さんが録音していくというLAVA流の流れ作業で制作しました。ちなみにタイトルの"Trance Human"。僕が好きなフランスの経済学者、思想家のジャック・アタリ氏が「世界に愛を届ける人物達」をそう呼んでいるんです。この「太い」ダンスビートとジャック氏の提示する論が、僕の中では間違いなく一致しています。
堀越あきひろオフィシャルサイト
011 : We Suffer We Struggle We Survive We Celerbrate feat.Olivia Burrell
おそらくこの曲が録音されたのは8年程前なんですが、どういういきさつで、どういうつもりでこの曲を制作、録音したのかを全く覚えていないんです。ただ、僕のPCのフォルダの中には"Latin Disco"というタイトル(ひどいタイトル!)で、ずっといるんです。時々引っ張り出しては、何かを追加したり、消したり、構成変えたり。そして最終的にカナダ出身の、僕の作品でもよく歌で参加してくれているOlivia Burrellに力強い言葉の詩を書いてもらい、彼女のリーディングを載せて完成させました。そんなわけで、足掛け8年で出来た曲、それが、"We Suffer We Struggle We Survive We Celerbrate"です。ドラムはソイルのみどりん、キーボードには45 a.k.a. SWING-O、ギターにはFlying Kidsの丸山さんと、錚々たるメンバーが参加しているにも関わらず、なんで僕は覚えていないんでしょうね。でもま、かっこいいですよ、この感じ。オリビアの淡々とした「愛のメッセージ」も、今の世界のテンションにはちょうどいいお湯加減です。
Olivia Burrellオフィシャルサイト
(Bonus Track)
012 : Dive feat.Frances Maya (Extended Version for DJ Use)
昨年の11月にリリースした企画盤、"AGOYSTA"に収録した人気ナンバー "Dive"を、DJ用に曲の前後にドラムトラックを付け加え、よりフロアー映えするようトラックダウンとマスタリングをやり直し、ボーナストラックとしてラストに入れました。久しぶりにDJのみなさんにはがんがんとプレイしていただきたい曲を作れたと思います。もちろん踊り子達にもなおいっそうのパワーと激しさを!
Live 4 Love
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