シスターローザ
年が明ける前に絶対書いておかなければならないことを思い出しました。
今年2005年10月24日、92歳でなくなったシスターローザのことです。
日本ではほとんど話題にならなかったのですが、アメリカではタイム誌の表紙を飾るなど
大きな話題になりました。
ブラックカルチャーの系譜を知る上でも、是非皆さんに知っておいたいただきたい事件があります。
1955年12月1日に事件は勃発しました。
当時のアメリカ南部にはジムクロウ法という人種分離法があり、バスは白人席、黒人席、中間席に分けられていました。中間の席には白人がいない時は黒人も坐ってよいことになっていたので、その日は黒人席が一杯で、ローザは中間席に坐っていました。ところが白人も多数乗車してきたために黒人の中には席を立つ者も出てきました。このため運転手ジェイムズ・ブレイクが中間席に坐っているローザに席を立つよう命じますが、ローザは立ちません。運転手はローザに「何故席を立たない?」と詰問し、席を譲るよう命令されますが、ローザは「立つ必要は感じません」と答えて起立を拒否し、逮捕されたのち、州簡易裁判所で罰金刑を宣告されます。
これがマーティン・ルーサー・キング牧師主導によるバスボイコット運動につながります。利用者の75パーセント以上を占めていた黒人たちがバスを利用をしなかったため、バス路線を運営する市は経済的に大きな打撃を被ります。ローザ側は市条例違反の判決に対し、バス車内の人種分離の条例が違憲であるとして控訴、1956年に連邦最高裁判所は違憲判決を出し、公共交通機関における人種差別を禁止することになりました。実にボイコット運動は381日、1年以上にもおよびました。
キング牧師はこの運動に勝利を契機として、全米各地での公民権運動を指導、非暴力直接行動と市民的不服従をかかげ、1963年8月28日、ワシントン大行進で25万人を集めた抗議集会を開催します。アメリカの黒人運動は最高潮に達し、1964年の公民権法成立につながっていきます。
シスターローザなくして公民権法成立はなかったと言っても過言ではありません。黒人と白人のコラボレーションで曲も出来なかったでしょう。Walk this wayもなく、David FosterがChaka Khanに曲を提供することもなく、Jazzを演奏する白人も現れなければ、Rapする白人も出現しなかったでしょう。
僕達が聞くことができる素敵な音楽はシスターローザがいなかったら、産まれていなかったかもしれません。(ちょっとおおげさかな?)
この勇気ある行動を歌った曲がニューオリンズ出身のバンド、Neville brothersのSister Rosaです。Yellow moonというアルバムに収録されています。ご興味がある方は是非。
★マメ知識★
ニューオリンズ特有の底抜けに明るい音楽は俗にSecond line funkと呼ばれます。これ、どうしてか言うと元々ニューオリンズジャズは葬送行進曲でした。お葬式の時第一列目に親族、第2列目に楽隊が並ぶことから、このような呼び方になりました。ニューオリンズでは明るく、楽しい雰囲気で亡くなった方をお送りしたんですね。
ブラックカルチャーは映画でいろいろと知ることができますが、映画の紹介についてはしゃちこに任せます。(新)
12月 31日, 2005 SOUND FINDER talks | Permalink
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コメント
はじめまして!
実は、Black Musicが一番好きです。
札幌のクラブで行われたManhattansのLiveで、
Black Musicの生音の洗礼を受けました。
今回のお話、大変興味深かったです!
投稿: michi. | 2006/01/02 1:04:35
michi.さん
コメントどうもありがとうございます。
サウンドファインダーブログをこれからも楽しみにしてくださいね。
投稿: Needle in the groove | 2006/01/02 8:45:02