DJ HIRAGURI -DJ to DJ-
4月6日よりスタートします、『DJ to DJ』コーナーでは、現在、ご活躍中のDJの方々に、今までのDJ LIFE、今後の活動について、しゃちこがお話をうかがう企画です。第一弾は、DJ、講師、ライターと多方面でご活躍されているDJ HIRAGURI氏のインタビューです。
(しゃちこ)
DJ HIRAGURI
プロフィール
70年生まれ。東京都出身。千葉県東葛地区在住。DJ歴18年。“OUTERLIMITS Inc.”所属。東京アナウンス学院DJ/リミックス科専属講師。ダンス・ミュージック専門の音楽ライター。
練習は父がいないときにこっそり・・・
-DJを始めたきっかけは?
初めて、ターンテーブルを触ったのは、中学生の時。ブラックミュージックやHip Hopが日本に上陸したのがその頃です。漠然と音楽をやりたいと思っていたんですが、“楽器”にピンとこなかったんです。そんなときに、テレビの音楽番組でDJを見て、コレかな、と。
今のように、DJに関する情報は少なくて、自分であちこちで調べて、自宅にあった父親のレコードプレーヤーをこっそり触ったのがきっかけです。両親が大事にしているレコードプレーヤーなので、見つかったら当然怒られます。だから、父親の留守中にね。勿論、DJ用ではないし、自分でフェルトのスリップマットを作って、見よう見まねでレコードを回してみたんです。新鮮でしたよ。両親がものすごく大事に扱っているレコードとレコードプレーヤーですから。それで、面白くなってしまって、家族の目を盗んで家で練習し続けました。あとは、DJ用のターンテーブルをもっている友人の家に入り浸ったりしてましたね。いたんですよ。親にミキサーとターンテーブルを買ってもらったっていうとっても羨ましい同級生が!
ターンテーブルを買うお金があったらレコードを
-どうやってDJテクニックを覚えたんですか?
当時は、今のようにDJになるためのHOW TO本もビデオも、スクールも何もなかったので、現場に飛び込む以外に方法はありませんでした。先輩DJの『レコード持ち』から修行です。でっち奉公みたいなモノです。これは、お給料があるわけでもなんでもないです。ただ、先輩DJのアシスタントをしながら、先輩が回しているのを隣からのぞき見して、曲名を覚えたり、テクニックを盗んだり。あとは、先輩が来る前に店に入って、置いてあるレコードを片っ端から聴くんですよ。実は、この頃もまだターンテーブルを持っていなくて、開店前のお店が練習場でした。ターンテーブルのためにお金を使うのは、最後の最後で、結局手に入れたのは、21歳の時。友達のお姉さんが、嫁に行くからターンテーブルはもう使わないっていうんで、貰いうけたんですヨ。実は、そのターンテーブルは今も使っています。ターンテーブルを買うお金があったら、レコードを買ってましたね。それは、今も同じです。
DJは音楽担当ではない
-DJとしての転機が訪れたのはいつですか?
『レコード持ち』を続けて1年か2年経った頃です。先輩から、お店を紹介してもらったんです。サラリーマンDJみたいなものですね。お店からお給料をもらって、DJをやってました。でも、これにはものすごくジレンマがありました。お店の音楽担当のような役割で、お客のウケのいい音楽をかけるようプレッシャーもかけられますから、自分の好きなようにDJできるわけじゃない。DJという職業に対してボクが想像していた“クリエイティビティー”のようなものは必要ないんですね。これは違うな、と感じて次の道を模索し始めたんです。
その後、フリーランスのDJとして活動を始めました。と言っても、当時はそんな職業は存在しないので、手探りでした。店との交渉や、お客さんを呼んでくるところも自分でやる。店からお金をもらう以上は、お客を集めないといけないですから。厳しかったですよ。DJだけじゃ食べていけないし。これは、10年前も今も同じですね。ボクはこの時期にDJだけじゃなく、音楽ライターや講師としても活動し始めました。ボクがDJとして表現したいことを、表現できる別の方法がこうした仕事でした。そうこうしているうちに、DJとしての仕事も少しづつ増えてきたんですよ。
一生かけても知り尽くすことはできない
-最近お気に入りの音楽はありますか?
不思議なもので、年齢とともに、音楽の好みって変わるんですよね。20代前半の頃は、とにかく新しいレコードを人よりも先に探し出すことばかり考えてました。新譜至上主義でしたね。新しい音楽こそ素晴らしい、と。でも、そうじゃなく、新しい音楽はその音楽が作られる前の音楽から影響を受けていて、その音楽はさらにその前の音楽の影響を受けている。あるとき自分の聴いている音楽だけでは足りない、と気づいたんですよ。それからは、ジャンルや年代を問わず自分がいいと思う音楽を探し続けています。
DJとしては、音楽を知っていることが大前提です。歳を重ねたDJにはかなわないと感じたのもその頃です。音楽と向き合っている年数が違えば、それだけ知っている音楽の量も質も全く違います。一生かかっても、音楽を知り尽くすことはできないだろうな、と悟ったような感じでした。今は、いろんなジャンル、年代の音楽を聴きます。強いてあげるなら、最近では日本の70年代や80年代の音源に注目しています。地方のリサイクルショップなんかをマメに探し回ってますよ。
ストイックに音楽と向き合って
-DJになりたい若手へのメッセージは
もっともっと音楽を好きになって欲しいです。若いときは、ボクもそうでしたが、時間はあるけど、使えるお金は限られている。DJとして、一番大事なのは音楽を知っていること。もっともっと聴いて欲しいです。20代前半なんかは特に、オシャレもしたいし、夜遊びもしたいし、スノボやなんかにも行きたいかもしれない。誘惑は多いと思うけど、ストイックに音楽と向き合う時間を作って欲しいです。
たくさんの音楽を聴いたり、mixの練習をしたりしていても、自分が成長しているのかわからなくて苦しむことは誰にでもあると思います。なんて言うんでしょうね。「労働に対する対価がわかりにくい」って言うんでしょうか。DJはこれだけやったから、こうなれる、というものではありません。諦めたくなる瞬間はたくさんあると思いますが、その壁を乗り越えて欲しいと思います。
50歳、60歳になっても現役DJとして
-今後のHIRAGURIさんのDJライフは?
ボクの根っこにあるのは、好きな音楽を紹介することで、人を喜ばせたいということですね。現場での、DJ活動はずっと続けていきたいですね。お客さんの反応を見ながらDJできる場所は原点です。
今後のDJ HIRAGURIの活動スケジュール
4月15日(土) 『DEJAVU』@CLUB ADD(仙台) 詳細 → CLUB ADD websiteへ
4月22日(土) 『om:tokyo pre-party』@LIQUID ROOM(東京)
4月23日(日) 『om:tokyo』@LIQUID ROOM(東京) 詳細 → LIQUID ROOM websiteへ
4月29日(土) 『BOOT UP』@CLUB WALL(名古屋)
5月5日(金) 『M.I.T.』@CLUB LOOP(東京) 詳細 → CLUB LOOP websiteへ
5月13日(土) 『POP LIFE』@SANDINISTA(山形) 詳細 → SANDINISTA websiteへ
毎月第3金曜日午後1:00~2:00 『NY AFTERNOON』@SHIBUYA FM
DJ HIRAGURI のオススメレコード
BREAK 4 LOVE / RAZE
□レコード(アナログ盤): 12inch □HOUSE / 80's □1988年
□SANDEE/NOTICE MEを思わせるベースラインとグルーブはDEEPな香が満開、気だるく突き刺す甘いヴォーカルも怪しく◎。ニューヨーククラシックス!
88年にCOLUMBIAからリリースされた、初期NYハウスを代表する傑作です。最近は、このテのハウス・クラシックスを新譜に混ぜてプレイする機会がグッと増えてきました。この曲のプロデュースを手掛けたVAUGHN MASONは、ヒップ・ホップDJの定番アイテムであり、由緒正しいNYダンス・クラシックとして知られる「BOUNCE,ROCK,SKATE,ROLL」を世に送り出した人物で、ヒップ・ハウサー、DOUG LAZYのプロデュースも手掛けています。ゼヒ若いハウスDJに聞いてもらいたい一曲です。
IT’S GONNA BE A LOVELY DAY / THE S.O.U.L. S.Y.S.T.E.M.
□レコード(アナログ盤): 12inch □R&B / SOUL / FUNK / 90's / GROUND BEAT
□みんな大好き! "Lovely Day"&"Paid in
Full"の夢のコラボ!!この盤に入っている楽曲はサントラにはすべて未収録のSpecial Remix仕様に仕上がっている一枚!
又、ネットオークションでも万超えは確実の一枚で、滅多にお目にかかることのないUS
PROMOオンリーの激レア盤になっており、モチロンInst収録付きで、こちらも人気です!
BILL WITHERSの往年の名曲のカバーで、C&C MUSIC FACTORYのDAVID COLEとROBERT CLIVILLESがプロデュースを手掛けています。WHITNEY HOUSTONが主演して大ヒットした映画、“BODYGUARD”のサントラに収録されています。ERIC B.&RAKIMの「PAID IN FULL」を下敷きにしたR&Bバージョンは昔も今も変わらず人気ですが、今の時代だからこそハウス・ミックスを聞いて欲しいですね。C&Cの二人は日本では過小評価されていますが、メジャーのフィールドでこんなに実験的な作品を制作していた二人の功績はもっと評価されるべきだと思います。
REMEMBER THE TIME / MICHAEL JACKSON
□レコード(アナログ盤): 12inch □R&B / SOUL / FUNK □1992年
大ヒットしたアルバム、『DANGEROUS』からのシングル・カットで、“Mr. NEW JACK SWING”ことTEDDY RILEYがプロデュースを手掛けています。最高にスイングしたオリジナル・バージョンも当然格好いいですが、当時ヒット作品を連発しノリに乗っていたSTEVE SILK HURLEYがリミックスを手掛けたハウス・ミックスも素晴らしい仕上がりです。最近はスキャンダル続きで目も当てられないMICHAELですが、ゼヒ復活してもらいたいところです。
LOVE’S GOT ME / LOOSE ENDS
□レコード(アナログ盤): 12inch □R&B / SOUL / FUNK / UK SOUL □1990年
□UK(12”)オンリーの『FEEL THE VIBE』はHIP HOPフリークにもオススメの名曲!!
80年代から数多くの名曲を世に送り出してきたUKのジャズ・ファンク・グループ、LOOSE ENDSが90年にリリースした、傑作中の傑作です。“キング・オブ・リミックス”ことDAVID MORALESがリミックスを手掛けています。リリースから16年という年月が経過していますが、古さを全く感じさせません。リリースされた当時から本当にいろんなシチュエーションでお世話になった、個人的にとても思い入れの強い曲ですね。多分このまま一生レコード・ケースに入り続けると思います。
CHANGE / LISA STANSFIELD
□レコード(アナログ盤): 12inch □R&B / SOUL / FUNK □1991年
□REMIXED BY FRANKIE KNUCKLES!
グラウンド・ビート・ブームの波に乗って登場したUKのブルー・アイド・ソウル・シンガー、LISA STANSFIELDが90年にリリースした作品です。LISA STANSFIELDはとても好きな歌手の一人ですが、中でもこの曲が個人的にはベストです。何と言っても歌詞が素晴らしい!FRANKIE KNUCKLESとDRIZABONEがリミックスを手掛けています。どちらのバージョンも甲乙付けがたい仕上がりですね。この曲も一生掛け続けたい曲です。
取材協力店舗
CAFE & DINER スタジオ (渋谷)
東京都渋谷区宇田川町36-3 渋谷営和ビル5F
TEL:03-3770-7723
営業時間:平日 12:00~24:00 金・土 12:00~翌5:00
URL: http://www.studio0520.com/
4月 6日, 2006 Interview | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)


