« リリースインフォメーション:PERCUSSION MADDNESS / LOUIE VEGA PRESENTS LUISITO QUINTERO | トップページ | リリースインフォメーションJoshua Edelman/LAVA »

2007/08/27

SOUND FINDER-INTERVIEW with TIMMY VEGAS from SOUL CENTRAL

Timmy_vegas
DERRICK MAYのSTRINGS OF LIFE(名義はRHYTHIM IS RHYTHIM)のカバーによって、一躍時代の寵児となったSOUL CENTRAL。そのSOUL CENTRALのTIMMY VEGASが待望の初来日を果たした。SOUL CENTRALにはSTRINGS OF LIFEのような楽曲と対極にあるような楽曲もあり、彼の志向性(音楽観)については非常に興味深いところだ。


まだ到着したばかりですが、日本の印象は?

すごく好きだよ。今朝7時に家を出てきてまだ一日しかここにいないけど、とても親切な人たちに出会ったし、とても美味しい食事もした。街にはフラッシュライトが溢れ、様々なことが起こり、どこでも沢山の人が歩いている。とてもエキサイティングな場所だね。ここには、色々なことが起こっているという沢山のエネルギーがあるように思うね。イギリスではここ10年寿司が人気あるけど、僕は日本のカレーも好きだよ。実は僕はシェフなんだ・・・というか 自分でシェフだと思っているんだけどね。僕は料理が好きだけど、料理と音楽制作は、とても良く似ているんだ。音楽制作では、ベースサウンドやキック(バスドラ)にコンプレッサーを掛けたり、ボリュームやバランスを調整して、スネアドラムやハイハットを加えるプロセスがある。料理では、生姜・スパイス・塩・コショウを加え、味見をしてベースの味が強いとか生姜が多いというようになる。結局、耳への音楽とお皿の上の食べ物は良く似ていていて、とても創造的なプロセスを経ているんだ。

音楽的なバックグラウンドを教えていただけませんか?どのような経緯で音楽に没頭するようになったか、またそのきっかけとなったことは?

感謝していることだけど、家族がいつも音楽をやっていたんだ。いつも家の中で歌ったり、父も演奏していたりしたし。サッカーのように当たり前のことだったんだよ。イギリスの人は皆サッカーが大好きだけど、僕にとっては、音楽がサッカーと同じような存在だった。僕は昔から音楽に慣れ親しんでいたので、スクールディスコではDJだったし、子どもの頃からどんな時でも音楽担当だった。88年か89年頃にイギリスでもハウスが流行り始めたときにはそれまでキーボードを弾いていたけれど、それを辞めてDJだけをするようになり、それと同時に音楽制作も始めるようになった。その頃のDJは新しいギターヒーローのようなものだったんだ。それまでは、EDWARD VAN HALEN、JOE SATORIANI、STEVE VAIのようなギターソロが弾けることがすごいことだったんだけど、DJの登場以来全く変わってしまった。DJが新しいロックスターになったんだよ!正直言ってそれが良いことかどうか分からないけれど。。

僕にとっては、楽器を辞めてDJになることは自然なジャンプだった。別にその時はDJを崇拝しているわけではなかったんだけどね。DJをしたのは、それが音楽的に自分を表現する道だったからさ。かつては時々ギターやキーボードを弾いたけど、すっかりDJだけになってしまったね。そういう移り変わりだったのさ。だから、ギターは泣いてるよ。「僕を弾いて~!」って。「うるさい、僕はDJなんだ。ミックス中なんだから!」(笑)

Pict0188
僕はLed ZeppelinのROBERT PLANTのバンドでキーボードやギターを弾いていたことがあるんだ。どういう経緯でROBERT PLANTのバンドに入ったかと言うと、彼は、スタジアムでやるような“ビッグ ロック”とは違う、親しみのある曲を一緒にやるバンドを探していたんだ。昔聴いて育ったレコード、BOB DYLANやJAMES BROWNのようなものをやりたかったんだ。ROBERTは自分がなりたいのはブラックアメリカンソウルシンガーだと言っていたよ。
彼はとても地元に思い入れがあって、地元のミュージシャンを使ったんだ。僕の住んでいる所はROBERTの所からそんなに遠くないしね。たぶんスタジアムでやるようなロックマシーンではなく、基本に戻って、自分の育った所や、出身地に関係しているような地元のバンド、BOB DYLANやNEIL YOUNGみたいにしたかったんだと思う。彼はかっこいいし、伝説的人物でもあるし、とてもいい人だよ。

彼と演奏することは不思議な体験だったよ。考えてごらん。僕がステージで演奏している時に、ROBERTがライトを浴びてそこで歌っていて、観客がいっせいにステージを見つめているんだよ。僕はステージにいることを忘れて、観客と一緒になってROBERTに見とれてしまうこともあった。それで、「TIMMY、集中しろ!君は観客じゃないんだ。ステージにいるんだ!」と叱られたりしてさ(笑)この経験はとても光栄に思うし、名誉だと思うよ。

音楽は2種類しかないと思う。さまざまなジャンルの音楽があるけれど、良いか悪いかの「GOOD & BAD」だけなんだ。例えば、「FRANK SINATRA? ダメ!あんまり使えないからダメ!」とかね。良いか、悪いか、それだけなんだ。僕はいつも新しい音楽を聴いている。ハウスである必要はないし、クラッシックを聴くこともある。

僕もLed Zeppelinが大好きです。元々アメリカンロックよりUKロックが好きなんですよ。GARY MOOREのレコードは80枚くらい持ってますよ。

みんなLed Zeppelinが大好きさ。一番かっこいいバンドだし、1970年代のロックといえばLed Zeppelinさ。BLACK SABATHは好きかい?彼らは僕の地元のバーミンガム出身だし、JOHN BONHAMとROBERTもバーミンガム出身だからね。僕の出身地バーミンガムでロックやヘヴィメタルが生み出されたなんて光栄だね。GARY MOOREもいいね。彼は暫くPHIL LYNOTTと一緒にTHIN LIZZYをやっていたよね。日本でもGARY MOOREのファンは沢山いるの?

GARY MOOREのファンは残念なことにあまりいませんね。最後の来日から20年経過しているんですよ。。。へヴィメタルといえば、IROM MAIDENが好きです。コンサートも中学2年生の頃行きました。でっかいEDDY(IRON MAIDENのキャラクター)が登場してびっくりでした。

「SIX,SIX,SIX ,NUMBER OF THE BEAST~♪」(歌い出す。IRON MAIDENの曲)
クレイジーだよね。あとねぇPINK FLOYDもすごいよね。そんなにヘヴィではないけど、コンサートが素晴らしい。それから、ALCATRAZのLIVE IN TOKYOのビデオをレコードフェアーで買ったよ。確か84年か85年のだったと思う。

僕はRAINBOWが好きです。RITCHIE BLACKMORE・・・

DEEP PURPLEね!もしかして、もっと知ってるの?UKバンド全部知ってるじゃない。僕たちは「ロックマン」だね。「We Rock!」(笑)

STRNGS OF LIFEの誕生

SOUL CENTRALがSTRNGS OF LIFEをカバーしたことによってSTRNGS OF LIFEをカバーするアーティストも数多く出てきました。これだけ数多くカバーソングがリリースされることは珍しいと思うのですが、このような現象をどのように考えていらっしゃいますか?

Timmy_vegas_2 何て答えていいのか分からないな・・・
ANDY WARD(SOUL CENTRALのパートナー)と今僕たちがロックについて話していたみたいに、「このコード覚えてる?」「STRNGS OF LIFE!素晴しいよね。」
「DERRICK MAY?大好きだよ。僕、弾けるよ。」「じゃ、やってみないか?」
「いいよ。やってみよう!」
という訳で、僕たちはこの曲をすることになった。新しい曲も書いていなかったし、タイミングとしてはばっちりだったんだ。1年後には2500枚売れたんだけど、僕たちにとってはビッグヒットだから、奇妙なことだよ。でもね、それだけでは終わらなかったんだよ。ある日電話がかかってきて、再発売しないかということになり、僕もANDYも「どうぞ、どうぞ」と再発売することになったんだ。6ヶ月後に、マイアミにいるおじさんから、電話があって「みんなが、お前のレコードを持ってるぞ。」
「えっ?」「STRNGS OF LIFEがいろんな所でかかってるぞ!」
「え~!ホント?ウソだ~!」
と会話をした3年後にはボンッ!と大ヒット。だから、とても不思議な体験だった。このことで一つ分かったことは、この業界では、次に何が起こるか全く分からないということ。DERRICK MAYもカバーされてヒットしたことに驚いているに違いない。
DERRICK MAYのオリジナルは芸術作品で素晴しい曲だ。僕らはそれをミックスして大ヒットした・・・奇妙だよ・・・でも良い方の奇妙だよ!

今でもジャズバージョンでカバーされたり、クラッシックバージョンなんかもあるんじゃないかな。シンプルな曲で、コードが繰り返す。DERRICK MAYはSTRNGS OF LIFEをサイクル・オブ・ライフ(人生・生命の循環)と同じだと言っているのではないかな。もしかしたら、本人はそんな風に言われるのは好きじゃないかもしれないけど。でも、特別な曲なんだ。だから、「DERRICK、ありがとう!」
この曲ではピアノをソロで弾いたけど、SONG FOR SHARMAではギターも演奏しているんだ。元々は別の人が演奏することになっていたんだけど、スケジュールが合わなくてどうしようかと考えていたときに、ANDYが「お前やれよ!」って。「出来ないよ。上手くないし、指は柔らかいし。」と言ったんだけどね(笑)短いけど印象的なギターのフレーズで、GEORGE BENSONを意識したんだ。この曲はMASTERS AT WORKのKENNYとLOUIEに取り上げてもらって光栄だよ。僕は、彼らの仕事の大ファンだからね。STRINGS OF LIFEとSONG FOR SHARMAはまったくタイプの違う曲だけど、FRANK SINATRAやジャマイカン・ダブ・サウンドシステムみたいに、僕はいろいろな種類の音楽が好きなんだ。自分が表現したい曲を躊躇したりすることはないんだ。正しいと感じればやればいいんだ。Led Zeppelin、BOB DYLAN、BOB MARLEY、MASTERS AT WORK、何であれ、踊る人がいればいいんだ。なかには「ダメ。僕の好みじゃない」という人もいるだろうけど、それはそれでいいんだ。まず、自分に正直でないといけない。
人はあるスタイルに固執したり、型にはまったりすることがあるけど、イギリスでは沢山の違ったタイプの音楽があるからね。僕は歳をとりたくないんだ。自分の昔の曲をかける老人にはなりたくないんだ。いつもそう心がけてるよ。

シェルターにも行ったことあるし、そこは大好きだけど、僕はイギリス出身だから、僕のやることは違うんだ。彼らはディープ、ソウルフル、アンダーグラウンドのNYハウスミュージックだけをプレイする。他のものはプレイしようとしないんだ。僕にとって、そういうことをするのは意味のないことなんだ。だって、僕は僕のままなんだから。もし良いレコードだったり、良い曲だったりしたらジャンルに関係なくプレイする。料理を味見してみて、美味しかったら食べるのと一緒だよ。

音楽以外で製作において何か影響を与えているものはありますか?

もちろん!哲学みたいに聞こえるのはイヤだけど、人生における全てのことが、気分に影響を与えるし、その気分は音楽に影響を与えるね。今イギリスではエレクトロみたいな、ダーティーで、ヘッドバンギングな曲が流行っていて、カッコイイんだけど、それは、イギリスの人々の感情を反映しているのだと思う。環境やら戦争やら政府へのね。音楽はハードになってきている。

僕には女の子の赤ちゃんが生まれたばかりなんだけど、彼女に曲を書いたんだ。もし、人生がうまくいっていれば、幸福に満ち溢れた、美しい、耳に心地よい曲になる。もし、自立できない人生を送ってきたら、暗い音楽になるかもしれない。自分の親しい人たち、国や世界の環境は、間違いなく、考えや音楽に影響を与えるね。

それと、他のプロデューサーやDJにも影響を受けるよ。去年のイビザで聞いたミニマルな曲は、新しいレーベルのユニバースメディアから出た「GIRL FROM BRAZIL」に影響を与えているね。これは、ミニマルトラックではないけれど・・・
あとね、イタリアで聴いたミニマルDJのプレイも自分のスタイルにも影響を受けたよ。別にミニマルのレコードを作るって訳じゃないけど、次に作るものに影響があるね。

この間、日本のシンガーのためにリミックスをしたばかりなんだ。グリッターという曲で、とても人気のある女性シンガーなんだけど・・・日本語は英語と違って発音が難しいから、名前を覚えるのも難しいんだ。(浜崎あゆみの新曲)あと、TEI TOWA。彼のリミックスもするんだけど、僕のヒーローだよ。
音楽を製作する上で一番の目的は、ダンスミュージックで人を踊りたいと思わせることだね。僕の曲がある神経を刺激して踊りたいと思わせる。ただ踊らせたいだけ。僕の曲で世界を変えたいとは思っていないさ。DJが僕の曲を4,5分プレイする、その時間に神経を刺激して、気分がよくなって踊れればいいのさ。僕たちはエンターテイナーだから、楽しませるのが仕事だ。

今アルバムを作り始めているんだ。もっとアーバンでもっとUKサウンドになっている。まだブラック・アメリカンのソウルフルな影響は大きいけど、イギリスでの動きにも注目している。例えばレゲエ、ダブ。
イギリスには沢山のジャマイカンが住んでいるからね。また、セックス・ピストルズなどのパンクの影響もある。ANDY WARDと僕のやっていることは、ブラックアメリカンミュージックを愛していたのを後悔しているのではなく、それはいつも根底にありつつ、かつ、僕たちの受けてきた影響を見始めているのさ。僕たちは、自分に正直にしているんだ。

音楽は人生のサウンドトラックかな。人生が映画で、音楽がサウンドトラックだね。僕は音楽以外はさっぱりで、何もできない。車のオイルさえ交換できないし、電球も替えられない。音楽しかできないんだよ。

Message from TIMMY VEGAS

TIMMY VEGAS Plays STRINGS OF LIFE at Daikanyama AIR

8月 27日, 2007 Interview |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/142541/16252587

この記事へのトラックバック一覧です: SOUND FINDER-INTERVIEW with TIMMY VEGAS from SOUL CENTRAL:

コメント

コメントを書く