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2009/11/25

SOUND FINDER Interview with KENTARO TAKIZAWA

Kentarotakizawasubasha いろいろなところで顔を合わせることがあっても、今回インタビューさせていただいたような、長い時間をとって話すことが、実なかった。僕はレコードも買うので、サウンドファインダーでいつもチェックしてますよというKentaro TakizawaのNew albumについて話を聞きました。

今回はメジャーからのリリースですが、何か状況の変化や心境の変化はありますか?

以前は作品をリリースしても、割と世間的にほっとかれてた感じがするんですが(笑)、今はみんながかまってくれるような気がして、ありがたいと思っています。
昔からの知人たちも喜んでくれていて、僕自身もうれしいです。

プレッシャーに思うことはありませんか?

プレッシャーに思う事はありませんね。
むしろ、もっと皆を喜ばしたいと思っちゃいますね。
僕自身、鈍感で不器用な感じなんで、プレッシャーを感じるというより、状況が変わっても、精神的に変わることはないと思うし、今の環境をもっと良くしようと思いますね。そのために自分がやらなければならないことは、良いアルバムを作るということだと思って制作に神経を集中させますし、制作が終われば、作品を少しでも多くのリスナーに届けたいと思うので、プロモーションにも積極的に加わっていきたいと思います。スタッフの皆さんのおかげでこれまでもやってきてるんですが、自分でできることは、自分でやりたいなと思っています。作品が世の中に広がるために、できる限りのことはやりたいと思っています。

制作期間はどのくらいだったのでしょうか?

前作『Heart to Heart』をリリースしたのが2年ほど前で、その後、プリプロダクションをずっとやっていたんです。本来であれば昨年位にリリースできればよかったんですが、自分の中に迷いがあって、制作に入り込むことができなかった。自分のネガティブな感じが音にも表れてたと思います。当時の自分的には弱いつもりではないんですが、今振り返ってみると、へなちょこだったなと思うんです。人生を甘く考えていたなと。

今まで環境に恵まれていたんですよね。音源を作ったら、すぐリリース出来るというような感じで来たので。でも、そういうのって本来は普通じゃないですよね。なので、なかなかリリース出来ない事に気持ちが参ってしまって、去年引退を考えました(笑)
というか、「このまま、自分はいなくなっていくのかなぁ」と思うと、悲しかったです(笑)

なので、今年の1月にエイベックスから話をもらった時はとてもうれしかったです。蜘蛛の糸にすがる思いというか、とことんいいものを作ってやろうという気持ちになりました。

前作『Heart to Heart』を出した時、これを出したら、次のステップに行けるという確信があったんですが、それが実現しなかったと思っているんです。
次回作については絶対に売れなければならない、だけど、かっこ悪いものは作りたくない。こんなことが頭の中で渦巻いていて、途中、何をやっていいか全然分からなくなっていた時期もありましたが、ある日気がついたんです。たとえば配信サイトのチャートでNo.1になるような曲が現場(クラブ)でかかっていることって少ないんですよね。あれはおかしいんじゃないか? 元々ハウスは”かっこいいもの”でフロアからヒットが生まれるものだったのに、なんでそれが成立していないんだろう??僕はハウスDJだし、”かっこいい”と思えるものが好き。そう、あまり他のこと、売れるとか売れないとかそういうことを考えず、KENTARO TAKIZAWAらしいハウスを作りたいという気持ちになりました。
そんな素直に制作に没頭できるような気持ちになったのは、今年の1月になってからですかね。そこから本格的に作業を開始しました。

アルバムにタイトルについてお伺いします。BIG ROOMというのは直訳すると大きな部屋ですが、どのような意味が込められているのでしょうか?

クラブで言うところの”大箱”という意味です。
今回、アルバムに参加してもらったRyoheiさんとはプライベートでも仲が良くて、遊びの延長線上でノリで作ったのが、2曲目に収録されているHeartbeatという曲です。この曲は出来た当初からクラブとかでテスト的にプレイしていたのですが、ある日Alex from Tokyoに聴いてもらったら、彼がこの曲の事を「Oh! big room tune!」って言ったんです。その言葉の印象が強くて、”Big Room”なアルバムを作りたいと思うようになりました。
内容については、元々僕はメロディアスな歌モノを聴いてきていたし、何よりも大好きなので、音楽制作の上でも根底にそういう嗜好があると思います。そのメロディアスな部分に今回は、パワー感を付け足したいと思いました。
もしかしたら、パワー感とメロディを両立させる事が、KENTARO TAKIZAWAのハウスなのかもしれない。

制作するうえで心がけたことはありますか?

前作の経験を踏まえ、反省したことは、曲自体が持つパワーが足りないと思ったんです。
クラブに入った瞬間に、一気に引き込まれるような勢いがあるような曲を作りたかったんです。”Big Room”というコンセプトを決めた時から、そういう感じを意識するようになりました。
あと、僕はDJも現場でずっとやっているので、新譜も常にチェックをしていますし、そういう今のリアルなフロア感・DJ感は、うまく表現したいと思いました。
曲作りやアレンジに関しては、学生のころ、バンドでキーボードをやっていたので、そこで培ったコード感とかリフの作り方とかそういうものは活かされている気がします。あと、みんなでセッションする感覚、ライヴ感という事は、特に大切にしました。特にKeep love togetherは忘れらないレコーディングでしたね。

アルバム全体を通して、こんな楽しいレコーディングは初めてでした。一番自分の意思を持って作ることができたアルバムだったと思います。いろいろと悩みながら作ったところもあるのですが、その悩むことさえも楽しかったです。

どういうリスナーに聞いてほしいですか?

ありとあらゆる人たちに聴いてほしいなと思っています。むしろ、ハウスというものを知らない人にも聴いてほしい。
ハウスを知らない人を引き付けるためには何が必要か?と考えた時、曲のパワーだと思ったんです。決してAirとかageHaの週末にいる人たちすべての人がハウスが好きとは限らない。あの箱が好きだから、そこにいるという人が多いと思うんです。そんな人たちも曲のパワーに引き込まれて踊っているじゃないですか、そういうものを作品にしたかったんです。

海外のリスナーに向けてはいかがですか?

KENTARO TAKIZAWAのハウスを作るという中で、日本語の歌詞は最初から考えていませんでした。できれば海外にもアプローチしてみたいです。
DJをプレイしにいって、こてんぱんになってみたい(笑)
僕、ほっとかれると現状に満足して、天狗になってしまいがち(笑)なので、そういうシビアな経験を通して成長していきたいと思います。将来的にはいい意味で、先輩をぎゃふんと言わせてみたいですね。

ツアーも決まっていますよね?

そうですね、11月から来年の4月まで、北海道から沖縄までまわります。

リスナーへメッセージを。

自分が欲しかったもので、自分がやりたかったものが出来上がったので、
このアルバムを通じて、”KENTARO TAKIZAWAが考えるハウス”を、皆さんにも感じてほしいです。そしていろんな、より多くの人に”ハウス”という音楽を聴いてほしいと思います。

Bigroom_kentarotakizawajk リリースインフォメーション
2009年11月25日Release
アーティスト:KENTARO TAKIZAWA
タイトル:BIG ROOM
規格:NFCD-25235
価格:2,800yen
レーベル:avex entertainment/tearbridge records

収録曲
01.Welcome To The Big Room
02.Heart Beat feat. Ryohei & Mika Sawabe
03.Unity feat. Joi Cardwell
04.B.R.D(Big Room Disco)
05.I Can Be feat. Lisa Shaw
06.Can You Feel It
07.One Thing I Know feat. Lady Alma
08.Change For The Better feat. Kimara Lovelace
09.Another Landscape feat. SAWA
10.On The Top
11.Keep Love Together feat.The BIG ROOM Family
a.k.a Mika Arisaka&Ryohei with SAWA,Mika Sawabe


Heart Beat feat. Ryohei & Mika Sawabe

 

Keep Love Together feat.The BIG ROOM Family a.k.a Mika Arisaka&Ryohei with SAWA,Mika Sawabe


  

Kentaro Takizawa "BIG ROOM"Release Tour&DJ Schedule
11月27日(金)@福岡Kieth Flack with Ryohei,福富幸宏
11月28日(土)@熊本INDIGO with Ryohei,福富幸宏
12月04日(金)@新木場Studio Corst "ageHa"
12月10日(木)@渋谷club ASIA、渋谷The ROOM
12月12日(土)@神戸Troop Cafe with Ryohei,SAWA,澤辺美香
12月19日(土)@郡山DOOZ with 栗原暁(Jazzin'park)
12月22日(火)@金沢MANIER
12月25日(金)@柏waRter
12月28日(月)@新木場Studio Corst "ageHa"

*随時更新中。詳しくはホームページまで
オフィシャルホームページ

11月 25日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/24

SOUND FINDER Interview with quasimode

091005_4785 僕にとって前作SOUNDS OF PEACE収録されたFinger tipやmode of blueに収録されたAfrodisia(Kenny Dorhamのカバー)はDJをするときに欠かせない1曲だ。彼らがカバーしたAfrodisiaがきっかけでKenny DorhamのAfro Cubanを知ることがことできたし、何よりもジャズという音楽が踊るための音楽と位置づける彼らの姿勢が好きだ。インタビューにあたり、事前に音源を聴くことができたが、そこに収録されたHappy fewはクリスマスのイルミネーションがきらめく街にぴったり。恋人や家族と楽しんでほしい1曲です。

・今作はBLUE NOTEからの発売ですが、感想をいただけますか。

平戸:今年1月にmode of blueをBLUE NOTEからリリースしたことがきっかけで、今回のアルバムをBLUE NOTEからリリースする光栄に預かったと思います。BLUE NOTEと言えば、ジャズの王道のレーベルですし、ジャズを語る上で最重要のレーベル。そのレーベルに僕たちも参加することができて、とてもうれしく思っています。

今泉:夢のまた夢、幸せですね。

松岡:カバーアルバムをリリースした時点でとてもうれしかったので、オリジナルのアルバムをリリースできるとは信じられないくらいうれしかったです。

・制作にあたって、以前と心境の変化や環境の変化というのはありましたか?

平戸:レーベル移籍第1弾ということ、ドラムに今泉が加入したことなどがあり、quasimodeとして新たな出発をするということで、気合いを入れ直して、制作にかかりました。BLUE NOTEというレーベルについて、僕個人としては子供のころから親しんできたので、先ほどもお話しましたが、光栄なことでした。
ライヴで自分たちの演奏をお客さんに聴いてもらっていく中で、お客さんが自分たちに求めているものがわかるようになってきました。

松岡:僕たちのファンもクラブに行かないようなリスナーやジャズを聴いたことがないようなリスナーも徐々に増えてきていて、前作のmode of blueをリリースしたころからは、ジャズ以外のフェスティバルにも出演することができるようになってきました。こういう状況で、さらに新しいものに挑戦しようという想いがありました。

最近のお客さんの流れを見ていると、クラブに行かないようなファンもライヴ会場にちらほらと見るようになって、年齢層の幅が広がった気がします。女子高生から年配のお客さんまで音楽を楽しんでくれていると思います。

今泉:mode of blueの時とは違い、オリジナルを演奏するというのはまっさらの状態なので、それをどう自分なりに料理をするか?ということは挑戦し甲斐がありました。

・年配のお客さんが増えたというのはうれしいことじゃないですか?

松岡:僕たちのサウンドはそういう世代の方々にも懐かしく感じていただけるようなサウンドかもしれません。それはそのようなリスナーの方々が聴いていた音楽を自分も好んで聴いていたからだと思うんですが。

ジャズは元々黒人のダンス音楽。当時は不良の音楽だったんですが、日本ではジャズの解釈の仕方が違うような気がします。ジャズは難しいものではなく、もっと楽しんでほしいというのが僕たちのメッセージ。若いリスナーにそのメッセージが伝わっているのであれば、とてもうれしいことです。

・今回のアルバムコンセプトやタイトルについて教えてください。

平戸:SOUND OF PEACEをリリースした頃に、CDショップのジャズチャートの上位に食い込むようになったり、大きなイベント、フェスに呼ばれるようになり、自分たちもようやくここまで来たかという想いがありました。それでdaybreakを製作するにあたり、レーベルの移籍、メンバーの交代もあり、今後のquasimodeの方向性を考える上で、今一度、僕らがいつも言っている”踊れるジャズ”ということを明確に打ち出すべきではないかという想いがあり、daybreak(夜明け)というタイトルに決めました。

・曲作りについて、教えてください。

松岡:一歩スタジオに入ったらお互いにバンバン意見を出し合います。なれあいな感じではなく、緊張感がみなぎっている感じですが、そのくらいの想いがないと、いいものは作れない。みなさんは出来上がったアルバムを楽しんでくださっていると思いますが、これを作りだすまでは、どのアーティストさんもそうだと思いますが言葉で表現することができないくらいの苦労があります。

初期の頃は暗中模索しているところもありましたが、ライヴをやっているうちに、お客さんから「quasimodeの音ってこういう感じだよね。」って教えられることも多くなったんです。そういう経験を通して、プロデューサーから意見も頂きつつ、自分たちらしさを追求していった結果、今回のような作品に仕上がった。元々は全員が同じ音楽の趣味の者が集まったわけではないので、ここまでお互いに歩み寄るのはとても大変でした。

今泉:quasimodeでのドラムとパーカッションのおいしい関係がもっともっと作れるのではないかと考えていて、それが実現できるようにしていきたいですね。

松岡:今泉が加入してくれたことで今まで以上に、自分の演奏(ドラムを始めバンドのアンサンブルに対しての)に専念することができるようになって、演奏の幅が広がりましたね。

・Happy fewは新機軸だと思うのですが。クリスマス前に素敵な曲だなと思いました。ウーターヘメルの声ははまってますね。ゴージャスな感じが素晴らしいです。

全員:ありがとうございます。

平戸:コードについてはあのような明るい感じのコードを使ってこなかったので、あの曲を作ったことで、新しい方向性が見えました。

松岡:ジャズのコードってシリアスな感じなので、それはそれですごく好きなのは変わらないのですが、それとは別に、常に新しいコードを使うようなことを模索していました。その中から、生まれた曲です。ボーカルのウーター・ヘメルはプロデューサーの提案だったのですが、お互いの良さが引き立った感じですね。曲を聴いた人が、情景を思い浮かべてくれたら、最高にうれしいです。

今泉:quasimodeの曲はハウスよりのテンポが多いと思うのですが、そのフィーリングを残して、スピンするような感じで3連で叩いているのですが、その旨みが曲を引き立てていると思います。

・Relight my fireは驚きの選曲でした。

松岡:昔からクラブでプレイされつづけているディスコミュージックにはずっと興味があったんです。そういうビートを取り入れたいなと思っていたんですが、そんな時に小松さん(プロデューサー)からあの曲を紹介して頂きました。高宮さん(Flower Records主宰)にもビートやニュアンスの面でいろいろ相談にのって頂きました。

平戸:アレンジに関してはプロデューサーにも相談して、オリジナルに忠実にしていますが、ビートを変えたりはしているので、quasimodeの色は出している感じです。

今泉:個人的にはタイムリーで良かったです。ドラムの音は高い音が流行っているので、そのような中でスネアのローチューングってのが新鮮でした。僕はディスコ世代ではないのですが、最近は当時の時代を反映するようなファッションが流行っているので、時代にマッチしている感じがします。

Relight my fire PVはこちら

・ホーンセクションをパーマネントメンバーで加入させる予定はあるのでしょうか?

平戸:アルバムを出すタイミングで考えたりはしているのですが、この4人だからできる楽曲や表現があると思っています。ホーンにパーマネントメンバーとして加入してもらうと、ホーンを省いた楽曲を作るとかできなくなってしまったり、表現の幅が限られてしまう感じがします。ピアノトリオにパーカッションが入っているというのがquasimodeの特徴で、この表現方法を大切にしていきたいと思っています。

・ツアーの予定はあるのでしょうか?

全員:ライヴは楽しみですね。

松岡:来年の2月からスタートします。quasimodeのCDを楽しんでいただくのも大切なんですが、quasimodeはライヴもお客さんとの重要なコミュニケーションだと思っているので、みなさんに観て、聞いてもらって、楽しんでもらいたいですね。

・最後にリスナーの方々にメッセージを。

平戸:今まで以上に、ジャズを聴いたことがない人にも楽しんでもらえると思います。普段ポップスを聴いているような人たちにも、楽しんでもらいたいです。

松岡:今まで以上に、いろいろなことを試したアルバムです。ジャズの垣根を取り払いたいと思い制作したアルバムなので、いろいろな人に楽しんでもらいたいです。

今泉:ジャズを難しいとか考えず、普通に楽しんでほしいです。

quasimodeからサウンドファインダーをご覧の皆さんへ

Quasimodeh1 リリースインフォメーション
アーティスト:quasimode
タイトル:daybreak
発売日:2009年12月2日発売
価格:2,800円 (税込)
商品番号:TOCT-26916

世界中のジャズ~クラブ・ミュージック・ファンから注目を集め、今や日本を代表するジャズ・バンドへと成長を遂げたquasimodeのEMI移籍第1弾となる待望の4thアルバム。彼らが掲げる“踊れるJAZZ”のコンセプトはそのままに、よりスタイリッシュに・・よりメロディアスに・・、ダイナミックなリズムと艶やかで美しいメロディーが絶妙に絡み合う。「静」と「動」のコントラスト、綿密なバンド・アンサンブルとグルーヴの渦が体を揺さぶる。海外の若手トップ・アーティストが参加し、世界標準と称される“quasimodeサウンド”がさらなる進化を遂げた、新世代によるニュー・スタンダード!

参加ミュージシャン:
ウーター・ヘメル(vo)、チャイナ・モーゼス(vo)、ファブリッツィオ・ボッソ(tp)、有坂美香(vo)

1.All Is One
2.Daybreak
3.Happy Few feat. Wouter Hamel
4.Escape From Darkness
5.Relight My Fire
6.Havana Brown
7.Take Me Out feat. China Moses
8.Feelin' of Four
9.Nation Hill
10.Rules of The Blood feat. Fabrizio Bosso
11.Afro Blue feat. China Moses
12.Jellyfish

For more info:
オフィシャルウェブサイト 
オフィシャルブログ 
Myspace 
『daybreak』特設サイト 

11月 24日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/20

SOUND FINDER Interview with Tasuo Sunaga

Tatsuo 辰緒さんとの出会いはサウンドファインダーでSAVE THE VINYLというキャンペーンをやった時のことでした。キャンペーンで配布したフリーペーパーに寄稿していただいたのですが、音楽そしてレコードに対する愛情がものすごく深いということを感じました。それからはいろいろなイベントに呼んでいただいたり、渋谷のレコードショップでたまたま出くわしたり、はたまたSHIBUYA FMのスタジオ(辰緒さんもWorld standardという番組を毎週水曜日19時から放送中)で世間話をしたりしていましたが、今回このような形として記録を残せたことはとてもよかったです。ニューアルバムのJAZZ et JAZZは12月2日発売です。HMV、タワーレコードなどでは先着で7inchのヴァイナル特典付きで発売!   

 

 

・JAZZ et JAZZというタイトルについて教えてください

アルバムのタイトル候補はいくつかあったんですが。
ジャズのアルバムと呼ぶには、昔からのオーセンティックなジャズファンにとっ て「これジャズ?!」って印象を持つ人もいると思ったので、「まぁ、ジャズはジャズということで。今自分がジャズだと思うことをやってみました。」的な感じでとらえてもらえればと思っています。今回のアルバムはいろんなタイプの音楽を実践しているので、前作とはちょっと違うイメージになっているかも知れません。


・制作期間はどのくらいだったのですか?

制作期間は2,3か月でしたが、集中して制作することができました。
アルバムを作ろうと思った時には納期が決まっているような状況なので、それまで温めてきたものを粛々と形にしていく作業ですね。


・以前のインタビューで、自分のDJプレイの中で使えるものを制作するというお話をされていましたが。

DJが何のための音源制作をするかというと、現場(クラブ)で使うため。なのでこの考え方は全然変わっていません。ただ、今回は曲によっては現場から離れられたかなと思っています。
自分の趣味がちょっと変わってきているというのもあるので、そのあたりの趣向の変化もアルバムには反映されていると思います。


・辰緒さんの場合、ミュージシャンではなくDJであったりプロデューサーという役割ですが、楽曲制作の進め方はどのようにされているのでしょうか?

このアーティストとコラボレーションしたいからこういう曲を作ろうとか、こういう曲があるから、このアーティストを使おうとか、いろいろな方向から考えますね。アルバム全体の方向性もあるので、それも意識しながら編集していくようなイメージで、それはDJをやっているのと変わらないです。


・その中で困ったことなどはありますか?たとえば、自分が思い描く曲のイメージが伝えられないとか。

正直そういうことはあります。自分が音楽理論的なことを全部わかっていれば問題ないんですが、そういうこともなく、抽象的な指示をするので、意志の疎通ができ ないことがあります。でもそういう時は自分がイメージしているものに近いレコードを聴いてもらって、連想してもらうようにしています。
ただ、今回の作品については意志の疎通が図れないとか、そういうことはありま せんでした。なのであまり驚くこともありませんでしたね。当初から設計図が しっかり決まっていて、完成型が見えていました。以前だと、「あぁ、こういう 風になっちゃうんだ」って思うこともありましたから(笑)
今回のアルバムについては菱山正太くんと万波麻希さんがメインで作業を進めていきましたが、彼らが見事に応えてくれて、イメージ通りになりました。
(菱山)正太くんに関しては若手ピアニストの中でquasimodeの平戸くんと並んで、抜群にセ ンスがいい。今回のアルバムでも彼に出会って、自分の負担が減るなって思いました。
曲作りにおいて、骨格となる構成やメロディがとても大切ですが、自分のイメージを伝えると、彼の場合、それを形にすることができる。
管楽器を入れたり、プラグインで効果音を入れたりすることは後からできるんですが、音像を考えるというところがとても難しい。今回は彼のおかげでこのあたりの作業が非常にスムーズでした。
海外のアーティストについては、できるだけデータのやり取りを少なくしたかったので、完成形に近いデモを作って、それを送って演奏してもらうような形で進めました。アナログな人間なんで、データでやりとりが信用できないんですよね (笑)


・楽器の演奏について、辰緒さんが細かく指示することはあるんですか?

基本的なメロディはあるんですが、それを忠実に守るようにとか、ベースラインはこう弾いてほしいとか、そのような指示はしません。ミュージシャンに任せます。
今回のアルバムのコンセプトに「Confidential」というのがあります。これは許された人たちだけが情報を共有するという意味としてとらえてほしいのですが、今回のアルバムをリスナーの皆さんが聴いて、この作品がきっかけで、参加していたミュージシャンの他の作品を聴いたりしてほしいですね。イメージ的にはミュージシャンとリスナーを結ぶラウンジというものを作りたかった。
今回のアルバムは今巷にあふれている音楽とは一線を画するとっつきにくいアルバムかもしれません。これは今の音楽に対してのカウンターという意味もあります。


・辰緒さんはクインシー・ジョーンズみたいですね。

自分はキップ・ハンラハンみたいになりたいですね。キップ・ハンラハンはワールドミュージックというか、正体不明の音楽をクリエイトしているアーティストなんですが、一度Blue Noteでライブを見たことがあります。ステージ上で最後まで客に背中を向けて、座っている人がいたんです。時折ミュージシャンに耳打ちしているんですが、「あの人なんなんだろう?」って思ったら、その人がキップ・ハンラハンだった(笑)
クインシー・ジョーンズの場合、もっとミュージシャンに細かく指示をしたりしてそうじゃない?
そうじゃなく、正体がわからないような、パンクな感じがたまらない。


・清志郎さんの曲は最初から収録予定だったんですか?

トリビュートというわけではないです。いつもアルバムにはご当地ソングを入れるという約束事あって(笑)
本当はストリングスのカルテットを入れたかったんですよね。
当初のイメージはクラシカルな室内楽と最新のエレクトロを融合させて、座りの悪い、狂気な雰囲気で。
リズムは今新しいジャズなのではないか?というのを当ててみました。


・そういう新しいアイデアはどうやって生まれるのでしょうか?

それは、毎日新しいレコードを聴いてるからじゃないかな。
このアルバムは自分の音楽の履歴が凝縮されていると思います。そのピースが組み合わさった結果です。
いろいろな音楽が本当にたくさんあります。なので、時々理解ができない音楽に も出くわすことがあるんですが、新しい音楽についてはわからないから駄目だとか、そういう風には思わないです。
わからないことは勉強しようと思っています。わからないから駄目だと言うのは勿体ない。


・今回は7inchのシングルもついているという話ですが。

実は冗談で言ったんですが、良くレコード会社の人がOKしたなと(笑)
配信というのはユーザとしては便利だと思いますが、オレはDJなので、そのアイデンティティの部分の表明です。
これは現在の配信ビジネスに対してのカウンター。もし、レコードやCDの パッケージが不要ということになれば、オレも不要なんだろうなと思っていま す。音楽が配信だけになったら、自分は引退でいいです。配信データをDJで使い たいと思いません。CDはデータ配信に取って代わられてしまう危惧もありますが、アナログは残ると思う。ごく少数 の人たちだけかも知れないけど、そういう人たちと想いを共有したいですね。
*注:HMV,タワーレコード他で先着特典でアナログ7インチ付。


辰緒さんからサウンドファインダーをご覧の皆さんへ



リリースインフォメーション
Gncl1228 タイトル:JAZZ et JAZZ
アーティスト:Sunaga t experience
発売日:2009年12月2日
規格番号:GNCL-1228
価格:2,940円(税込)
レーベル:Geneon Universal Entertainment

参加アーティスト:
アキコ・グレース, トウヤマタケオ, Likkle Mai, Jukka Escola, Timo Lassy, Sofia Finnila, arlie, mama! milk, dahlia, Gerardo Frisina, Sebastian Studnitzky, Maki Mannami, and more...

収録曲
01. Autumn Frost
02. Confidential
03. Lilian Mode
04. The St. Vitus Dance
05. Brighter Bossa
06. Sketches Of TY
07. On The Corner Where You
08. A Kite
09. Atmosphere
10. Gold 'n' Silver
11. Hats off to Luciano Berio
12. 甲州街道はもう秋なのさ

須永辰緒のJAZZ川柳
mixi内コミュにてジャジーな川柳大募集中!

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その他お知らせ!
レコード番長がつづる3年間のレコ買い日記 須永辰緒著「そのレコード、オレが買う!」発売中(リットーミュージック)

11月 20日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)