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2011/09/28

中古&廃盤CD・レコードセール 10月7日(金)~10月10日(月・祝)まで新潟古町六番町モールにて開催!

Dm1年ぶりの新潟開催となるレコードセールです!
場所は古町六番町モール、富士屋パンの隣。
参加ショップは以下の通りです。
・エボニーサウンズ
・ファーイーストレコード
・フラミンゴレコーズ
・レコード屋グリグリ
・キングコング


9月 28日, 2011 レコードフェア情報 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/09/17

オススメ本の紹介:ジャズ・ミュージシャン3つの願い/パノニカ ドゥ コーニグズウォーター

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の願いごとは「白人になることだ!」った。

1960年代、パノニカ・ドゥ・コー二グズウォーター(Pannonica de Koenigswarter 愛称ニカ)は、300人のジャズ・ミュージシャンに「あなたの3つの願いごとはなに?」と質問した。ジャズ・ミュージシャンの願いごとと、ニカ自身が撮影したミュージシャンたちのスナップ写真。こんなジャズ本は見たことがない。

ジャズ・ミュージックの抽象性に対して、 ジャズ・ミュージシャンたちの願いごとが非常に具体的・現世的なのが面白い。音楽(演奏)、愛(とセックス)、お金、仕事の現場、健康、家族と、身の回りに関することばかりである。ジャズ・ミュージシャンが、なによりも「演奏をする人(=プレイヤー)」であることを一義的に考えていたからではないか。ロック・ミュージシャンなら何と答えたのだろう、ジョンやポールなら、ミックやキースなら、そんなことを想像するのも楽しい。

世界を代表する富豪であるロスチャイルドの家系に生まれたニカは、超のつくセレブであった。まだ人種差別の厳しい時代、黒人が多いジャズ・ミュージシャンのよき理解者、親友、パトロンとして、彼ら彼女らをおおいにサポートした。彼女は、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)セロニアス・モンク(Thelonoius Monk)の最後を看取ったことでも知られている。彼女の住まい(通称「キャットハウス(Cathouse)」)はジャズ・ミュージシャンのたまり場だった。そこでの写真に写るジャズ・ミュージシャンたちは、みなリラックスした表情をしている。それはニカとの関係性を反映したものなのだろう。人種や生い立ちを越え、ジャズを理解し愛するものどおしの、本当の友情に結ばれた関係。当時、白人に見くびられないように、服装と物腰を崩すことなく、知的でクールな印象を与えようとしてきたジャズ・ミュージシャンたちが、ニカの写真の中ではシャツの襟を緩め、穏やかに微笑んでいる。

この本で300人のジャズ・ミュージシャンの素顔に触れてみてほしい。音楽史におけるジャズやジャズ理論についての解説、チャーリー・パーカーマイルス・デイヴィスなど数人の偉大なジャズ・ミュージシャンについての自伝や研究の書籍はこれまも多く出版されてきたが、本書のように、ある時代のジャズ・ミュージシャンの、親密で温かな私的な関係の記録は目にしたことがない。300人の短い言葉とスナップ写真から、ジャズという音楽の本質が垣間見えるような気がした。

パド・パウエル(Bud Powell)のほか数名のミュージシャンが「日本に行きたい」と語っている。当時のジャズ・ミュージシャンにとって、日本はどのような国に見えていたのだろう。自分自身もピアノを演奏するボクは、穐吉(秋吉)敏子の願いごとに最も深く共感した。

「心のなかにあるものを、すべて演奏できるピアニストになりたい。もしその願いが叶ったら、次に2番目と3番目の願いごとが生まれるはずだわ」。

これはジャズに限らず、ミュージシャン全ての願いかもしれない。

丸山桂(SOUND FINDER

パノニカ ドゥ コーニグズウォーター / ゲーリー ギディンズ / 鈴木孝弥/ジャズ・ミュージシャン3つの願い ニカ夫人の撮ったジャズ・ジャイアンツ

9月 17日, 2011 本の紹介 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/09/15

オススメ本の紹介:音楽の聴き方/岡田暁生著 中公新書

414lc2gre0l_sl500_aa300_音楽を言葉で表現できたら。そんなことをずっと考えているのですが、これがなかなか難しいんです。
音楽はその音楽ができた背景(文化、土地、経済など)の影響を受けて完成されます。大きな事件や災害の後には、やはりその影響が音楽にも色濃く反映されるので、そういうはっきりした背景を共有できている場合、音楽はすんなりと自分の中に落ちてきます。

音楽は自分の精神状態でも聴こえ方が随分と変わってきます。これをどうやって説明するか?というのは音楽を語る上での永遠の課題なのではないかと思います。

そんな中で出会ったのがこの本でした。この本の中で素材として取り上げられているのはクラシック音楽ですが、参考になったのでご紹介します。

筆者は嗜好や相性は必ずしも個人的なものではない。本人は純粋に自分の自発的な好みだと信じていても、それは物心ついて以来の、周囲環境からの絶え間ない刷り込みによって形成されたもの、つまり「内なる図書館」を人それぞれが持っているとのべています。

この中で語られている面白いエピソードがモンクス・ポイントの聴き比べです。

この曲はセロニアス・モンクの作曲ですが、この曲をセロニアス・モンクとジョアンナ・マクレガーというクラシックのピアニストがプレイした曲を比較します。(以下引用)

ジョアンナのプレイはタッチは清潔で粒が揃っていて、リズム感もシャープだか杓子定規ではなく、小股切れ上がった
おしゃれそのもの。クレッシェンドやデクレッシェンドの陰影は完璧な滑らかさで、まるでガーシュインのようだ。

一方セロニアスのプレイはドタ足で行儀悪く、ペタペタと歩くような右手のタッチは少なくともクラシックの常識からすれば、いかにもたどたどしい。左手のブギウギ風のリズムは貧乏ゆすりしているみたいだし、おまけに突拍子もないところで急停止/急発進を繰り返し、リズムは奇妙にひきつっている。ところが、ひとたびこの演奏を聴くと、強烈な生命力をもって聴く者の耳に焼きつけられるのである。


この曲の評価の違い、好みの問題はこの「内なる図書館」に影響されていると筆者はいいます。この「内なる図書館」はいろいろな音楽を聴くことで蓄積され、深くなっていきます。わかる音楽を聴くのでなく、わからない音楽をあえて聴くことも音楽の楽しみ方の一つであり、大切だと言います。

サウンドファインダーをご覧のみなさんに興味深いのは、レコード誕生によって、どのように当時の人々の音楽環境に変化があったか?ということだと思うのですが、その部分については第4章「音楽はポータブルか?」、第5章「アマチュアの権利」で述べられていることが示唆に富んでいて、面白い内容です。

音楽のお供にどうぞ。

岡田暁生/音楽の聴き方 -聞く型と趣味を語る言葉 中公新書

9月 15日, 2011 SOUND FINDER talks | | コメント (0) | トラックバック (0)