Joe claussellからみなさんへのメッセージ
この間、来日した時に少し話をする時間をもらい、今の音楽業界どう思っているのか?という話を聞いてみました。あなたは20年前とは全然違うところに行ってしまいましたね。と伝えると、同じことをずっとやっていても進歩がないからね。と答えたのが印象的でした。
音楽産業では昔からそうだけど、売れるものを作る傾向にある。これは経済活動だから仕方がないことだと思うけど、僕は音楽は経済活動であると同時に、芸術であるということも忘れてはならないと思う。
制作するとき、僕は自分が感じる音楽を作ることを心がけるようにしている。例えばK-POPが日本で流行っているみたいだけど、僕はすべて同じように聴こえるし、自分がやるべき音楽ではないと思っている。
ま、大金を稼ぐためにはいいのかもしれないけど、他にも、レディガガとかさ、そういうのはやらないよ。
アーティストは自分が考える芸術とはなにか?という問いについて、それぞれの答えを形にしていくものだ。僕の音楽に対するアプローチは何が商売になって、何が売れるのかとか、そういうことを考えることなく、自分が今その時点で感じているものを音楽にすること。これがすべてだ。すべての人がどうありたいか、どうなりたいのか、そういう想いに向けて進んでいくことが今は大切だと思うよ。
多くのレコード会社は利益を得て、金を稼ぐことがミッションだけど、僕のレーベルはそれを大きな目標としていない。僕が目標としているのは、アーティストが良い音楽を制作し、それを理解してくれるリスナーに届けることで、それができた時に対価として大きな喜びを僕は得られる。僕は生れた時から家には音楽があふれていたし、音楽を大切にする想いはこのころに培われたものだと思うよ。音楽はとてもパワフルなエネルギーを持っている。だからすべての人に音楽をもっと楽しんで、大切にしてほしいと思っているよ。そのためには音楽を聴き続けることが大切なんだ。
PCで音楽を作ることができるようになったけど、僕はPCで音楽を作ることは反対だ。素晴らしいミュージシャンがいるからね。最近リリースしたHerve Samb & Daniel MorenoのKharitというアルバムだけど、Herve SambはPharoah SandersやHerbie Hancock、AMadou & Mariamのツアー・ギタリストとしても活動してきたセネガル出身のミュージシャン。Daniel Morenoは昔から僕の作品でパーカッションをプレイしてくれているミュージシャンなんだ。
こういうミュージシャンがいる限りドラムマシーンやサンプリングにとって代われることはないよ。素晴らしいミュージシャンが作った音楽はずっと残る。例えばMiles Davisの音楽は常に再発が繰り返されていて、どんな世代の人にも支持されているだろ?良い音楽は世代を超えて残っていくものだよ。
僕のような音楽の作り方はとてもお金がかかる。だからリスクが高いんだ。「これがかっこいいからこれと同じことをやってみよう」というような感じで音楽は作れるものではない。こんな作り方だったら、お金もかからないからリスクもない。簡単なんだよ。でも僕は素晴らしいミュージシャンと一緒に良い音楽を作りたい。
これはDJでも一緒。最近では配信サイトで音源を買うことができるようになったけど、みんな似たような曲をダウンロードして、PCの画面を見つめてDJをしている。DJは一つのアートフォームなんだよ。視覚的にもレコードがターンテーブルに乗っているほうがワクワクするだろ?PCDJは若い世代にとっては普通のことなのかもしれないけど簡単だよね。でもここではアーティストを必要としていない。
もちろんダウンロードにも良い面はあって、素早くいろいろな所に届けるられるというのは便利だよね。
でも、僕は音楽を愛すると言うことは視覚的にも楽しむことだと思っている。これは思い入れにもつながると思うんだけど、ダウンロードしたファイルはすぐに削除できるけど、レコードやCDはそういう風にはならないよね。
どっちを選ぶかは個人の自由だけど、僕はこれからもレコードやCDに恋し続けるだろう。

Herve Samb & Daniel Moreno/Kharit
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12月 29日, 2011 Interview | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)


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