2010/03/12

SOUND FINDER Interview with Misa Sugiyama & Silent Jazz Case(島裕介 from Shima & Shikou DUO)

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quasimodeやFlat threeでゲストボーカルを務めるMisa Sugiyamaが3月3日にソロデビューアルバムをリリースした。プロデューサーはSilent Jazz Caseの島裕介が担当。今回のアルバム制作にかける想いを二人にインタビューした。 

どういういきさつでお二人はアルバム制作をされたんですか? 

島:Flat thereのライブが1年半くらい前にあって、僕がゲストで呼ばれたときに、彼女はボーカルだったというのがちゃんとした一番初めの出会いですね。その打ち上げの時、こんなことをやっているんだという話をしたところ、こういう曲を自分もやってみたいという話がMisaさんからありました。自主制作でもいいから作りたいと。 それであれば、先に音源を作ってレーベルに売り込もうということになったんです。   

曲作りも島さん参加されているのですか? 

島:一部やってますが、ほとんどの曲を彼女が作曲しています。僕はプロデュースやミックスを中心に制作にかかわっています。   

Misaさんはいつ頃から音楽活動をしているのですか?
 

Misa:16歳くらいのころから歌い始めていますが、元々は親の影響で音楽を聴き始めました。小さいころから音楽に親しんでいましたね。バド・パウエルとかスティーヴィ・ワンダーとか5歳くらいのころから聴いていました。ミッシェル・カミーロもソロが追えるくらい好きでした。高校生のころにはライヴハウスに出入りするようになって、学生時代はジャズ研でバンドもやっていました。最初から歌を歌っていたわけではなく、子供のころはクラシックピアノを習っていました。 音楽はとても好きで、いろいろな音楽に触れていたいし、挑戦もしたい。そんな気持ちから音楽と真剣に向き合うようになりました。16歳のころからライヴハウスで歌を歌ったり、このような積極性がうまれたのも、子供のころアメリカで過ごしたというのが影響しているかもしれません。   


アルバムタイトルはどのようにきめられたのですか?

Misa:元々はOLをやっていたんですが、音楽活動に専念するにあたって、自分の気持ちそのものを表現する言葉として「Fly high」というタイトルにしました。 不安はあったのですが、やりたいことをやろうと。後悔するくらいなら飛び出そうと思いました。   

制作にあたり意見の食い違いとかありませんでしたか?

島:特にそういうことはありませんでした。制作に関してはアーティスト主導で行うので、アーティストが望むものに沿う形でプロデュースしています。オーバープロデュースにならないように心がけ、アーティストがやりたい方向性で作業を進めていきますが、極端な話、音楽もよくわからないような歌手をプロデュースすることになったら、曲も自分で作って、すべてお膳立てして歌ってもらう感じにすると思います(笑) Misaさんの場合は、音楽知識もあるし、曲も自分で作れるし。全て彼女に任せた感じです。   

収録しているカバー曲について教えてください。 

Misa:4曲収録されていて、All you need is love、There must be an angel、Autumn leaves、I’ve got  just about everythingです。 I’ve~はBOB DOROUGHというジャズボーカリストの曲で、今回のアルバムにはどうしても入れたかった曲です。この人が好きでジャズを聴くようになったところもあります。 

島:調べてみると、このBOB DOROUGHは渋谷系のミュージシャンにもカバーされていて、小沢健二さんも演奏してるんですよ。   


オリジナルの曲についてはどのような時に作られているんですか? 

Misa:朝起きたときとか寝る前とかによいメロディが浮かびますね。 

島:僕も最初はメロディから作っていたんですが、最近はかっこいいリフを考えてから作曲をすることも多くなりました。今、Silent jazz caseのオリジナルアルバムを作っていますが、その中にもリフから作った曲も入っています。   

歌を歌いたいという欲求はどこにあるのでしょうか?

Misa:いろいろあるんですが・・・。音楽は世界共通で、どんな人にも伝わるものだと思っているということと、私は今25歳なんですが、同世代でもやりたいことが見つからず、やりたいけど、なんとかなく抜け出せないという人が多くて、歌を歌うということはそういう人たちに対するメッセージでもあるんです。 決して安定している環境ではないけど、小さくても自分の作品を残すことができて、とても幸せです。自分の力で事を成し遂げる勇気を持ってほしいというメッセージを込められています。

今回アルバムがこのような形としてリリースされたことはとてもうれしいことです。今音楽業界は変革期だと思うんですが。パッケージがあることによって、ビジュアル的にイメージを作りやすいと思います。データだけになると、アーティストのイメージをつけにくく、どれだけダウンロードされたかとかそういうことで音楽が測れるようになることには違和感を覚えますね。確かにネットを通じて世界中の人に届くといういいところもあると思うんですが。 

島:ネットに情報を出したところで、積極的に情報を取りに行かなければ気づくことないから、結局は宣伝しないと埋もれてしまうと思います。 音楽ビジネスというのは時代に流されるしかないと思うんです。配信でもいいんですが、そのような環境でも音楽がビジネスとして成立する仕組みが出来上がればといいなと。あと3年くらいで変わるんじゃないかなと思っています。   

サウンドファインダーをご覧になっている方にメッセージをお願いします。 

Misa:今回参加してくれたアーティストと4月9日(土)にJ’Z  Bratでリリースパーティを予定していますので、是非遊びに来てください。 Fly highは歌モノのポップなアルバムなのでジャズを聴いたことがない人にも楽しんでいただけると思います。 

島:今かっこいい音楽がチャートを賑わせていないじゃないですか。それがもどかしい。僕は歌モノのかっこいいジャズテイストの音楽を発信していきたいと思っています。音が豊かな作品を残していきたいですね。

Misa Sugiyama & Silent Jazz Case(Yusuke Shima)からメッセージ

リリースインフォメーション

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タイトル:FLY HIGH
アーティスト:Misa Sugiyama
プロデュース:Silent Jazz Case(島裕介from Shima & Shikou DUO)
価格:2300Yen now on sale

Misa Sugiyama official web
My space

3月 12日, 2010 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/03/09

SOUND FINDER Interview with Volta Masters

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様々な楽曲のリミックスを手掛け海外アーティストとのコラボレーションも豊富なVolta Masters。2年前にファーストアルバムをリリース後、立て続けに作品をリリースし、総売上枚数は10万枚を超えるビッグアーティストだ。今回のアルバムはcutting edge/ Avex entertainmentからリリース。Monday 満ちるを始め豪華ゲストが参加する意欲作だ。


メジャーレーベル移籍第1弾ですが、何か心境の変化とかありますか?

やる内容は今までと一切変わらないんですけど、多くの人やチームの力によって、さらにいいものをつくれるようになったというのは新しい発見でしたね。それとメジャーになることで、より多くの人に聴いてもらえるのが楽しみであり、すごくうれしいです。

今回のアルバムは多彩なゲストが参加していますが、これはどのように決められましたか?

みなさん僕が以前から大好きなアーティストです。特にMonday満ちるさんは昔から好きだった方で、ぜひ一緒にやりたいなと思っていて。「Justin’ Love」は以前のアルバムに入っていた曲をさらに進化させたヴァージョンなんです。1773はいつも一緒にやっていて、気心が知れているので、何曲か渡して“やりたいのがあればどう?”みたいな感じで、向こうが気に入ったのをやっていった感じですね。

アルバムタイトルに「Lovers」というタイトルがついて教えてください。

最初に出した『Change』というR&Bのアルバムがあるんですが、それの続編というか、歌モノに比重をおいた内容でつくりました。タイトルの“Lovers”というのは、R&Bの甘い感じのアルバムだし、恋人たちに聴いてもらいたいという思いからつけました。

従来のヒップホップとVolta Mastersさんの音楽はそれとは一線を画しています。意図的にしているのでしょうか?

明確な基準があるわけでも、売れることを狙ったわけでもなく、純粋に自分の好きな曲を作っているだけなんです。しいて言えば、自分がDJでかけたときに盛り上がる曲ということは意識していますね。トラックメイカーの多くは、誰も知らない曲を選んだりと、コアになりがちだけど、アニメでもゲームでも、いいと思った曲は何でもやってみたいと思っています。

作曲の方法についてお伺いします。サンプリングネタが多岐にわたります。MtumeのJuicy FruitからGeroge WinstonのLonging Love、G線上のアリアなど、これは作曲している中でサンプリングソースが思いつく感じですか?それとも、サンプリングネタが決まってからメロディを作られているのでしょうか?

基準とかは特になくて、今回は、レーベルの担当者や、制作チーム内で意見を出し合って、
いろんな事を総合的に考えたうえで「パッ」としたひらめきを大切にしながら、
頭の中で組み立てつつ、それを形にしていったって感じですね。

リリース後の予定などがありましたら教えて下さい。

配信でシングルをいくつか予定しています。もちろん次のアルバム制作にもとりかかっています。ライブも好きなんですが、今は楽曲制作に専念したいですね。

最後にサウンドファインダをご覧の皆さんにメッセージをお願いします

今回のアルバム「Lovers」はクラブでかけることができる楽曲、というのが根本にあるんですが、それ以外にも、日本語の曲や、バラードの要素が強い曲、これまでとは違う切り口のポップな楽曲など、いろいろとチャレンジしてみました。この作品で、自分なりの“Love”が届けられたら嬉しいと思っています。みなさん是非聴いて下さい。

Volta Master オフィシャルサイト

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リリースインフォメーション
アーティスト:Volta Masters
タイトル:Lovers
価格:2625円 Now on sale

 

3月 9日, 2010 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/02/05

SOUND FINDER Interview with MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO

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今回のインタビューはマウンテン・モカ・キリマンジャロ(以下MMK)のギタリスト、BobsanとトランペッターのTemjinだ。イギリスでも1stアルバムはJazzmanからリリースされていて、(ちなみに日本盤には未収録のツェッペリン「移民の歌」をカヴァー収録!)年末にはオーストラリアツアーも敢行し、ワールドワイドに活躍するマウンテン・モカ・キリマンジャロの近況をお伝えします。

・今回のアルバムタイトルはどういう意味でつけられたのですか?

Temjin:キリマンジャロの頂上がウフル・ピークというんですが、2作目で、ついに頂上に来たなと(爆笑)

Bobsan:次は深海か、地球か、宇宙かって感じですね(笑)

・A woman changed my lifeはアルバムの中でも異色だと思うのですが。

Bobsan:セッションで1時間くらいで仕上げた曲です。ベースのGingerが弾き始めたラインにメロディを乗せていきました。僕らの今までのカラーにはなかったものなんですが、メンバー全員こういう曲も好きなんですよね。アルバムに収録したいと思って、一気に仕上げました。僕らは他のバンドと違って、メンバーの音楽的な趣味が似ていると思います。なので、曲を作る時にも、イメージが違うとかそういうことはあまりないですね。

Temjin:普段からいいなって思う曲ってメンバーみんな好きなんですよね。

・唯一日本語のタイトルがついている曲がありますが。

Bobsan:元々はOkano Beatって呼んでいたんです。ドラムの岡野が「俺にしか叩けないビートを開発した」って言っていたので、仮タイトルでOkano Beatってつけていたんですが、収録するに当たっては、曲調そのものを表す豪快なイメージで乱暴というタイトルにしました。他の曲はすべての英語のタイトルなので、日本語のタイトルがあってもいいかなと思っています。

・Red hot chill peppersが好きだったとお聞きしましたが。

Bobsan:そうですね。好きでした。Temjinはボーカルやってたんですよ。

Temjin:JBみたいに歌っていたことがあるんですが、うまくハマらなくて、だんだん歌わなくなって、トランペットを吹く割合が増えてきましたね。あと、MCが苦手でした(苦笑)

Bobsan:マウンテン・モカ・キリマンジャロではボーカルをフィーチャーした曲はやらないと思うんですが、STAXやMOTOWNのように、ボーカルを誰か立てて、そのバックバンドで演奏するということもしていきたいと思います。そういう形態でバンドをやっているところが今はないので、いいですね。バンドとは別にゆくゆくはプロダクションやレーベルなども手掛けていきたいですね。

・全曲オリジナルで収録されていますが、作曲はどのようにされているのでしょうか?

Bobsan:スタジオに入ると、自然とセッションが始まるんですが、その様子を全部録音しておいて、後から使えそうな部分を曲として完成させていくという感じでやっています。誰かが持ってきたものを作り込むということもありますね。

Temjin:リズムから作っていって、最後にホーンセクションを仕上げるという感じで進めていきますね。Indicationという曲では僕のソロがあるんですが、どうしても自分が納得できるものが中々できなかったんですよね。結構時間がかかりました。

Bobsan:スタジオは1度に3時間くらい入るんですが、1曲仕上がる時もあれば、全然でき上がらないこともある。スタジオ代もばかにならないので、お金がかからないようにできればいいんですけどね。今でこそあんまりやらなくなりましたが、月に1度は合宿をしたりしていたこともあります。アルバムのレコーディング前にはちょこちょこやったりしていましたね。

・録音はどのようにされているのでしょうか?

Bobsan:前作もそうだったんですが、アナログのオープンリールテープを使っています。
最後のマスタリングだけPCで行っています。リズムトラックだけテープでとって、うわものはデジタルというバンドもありますね。ファンクバンドはアナログのテープにこだわっている人が多いかもしれない。今回は24トラックのリールテープを使ったので、編集しようと思えば、編集できるんですが、そこをあえてやらずライブな感じを大切にしています。

・アナログのテープって入手困難じゃないんですか?

Bobsan:難しいですね。在庫を抱えている業者にお願いして、あるだけ取り寄せてます。

Temjin:仕方なくデジタルでとったのが、最後に収録されているLove Spectrumです。
これはテープで録音していたのですが、最後にテープ切れてしまって、、、
ただ、すごくいいテイクだったので、同時にProtoolsで録っていた方で収録しました。聴き返してみると、デジタルでも意外といい感じだったような気がしますね。

Bobsan:でもできれば、テープを使っていきたいですね。

・年末にオーストラリアツアーをされたようですが。

Bobsan:年末から3週間ほど行ってきました。最初のうちは少し緊張していた感じですが、だんだんいい演奏ができるようになりました。日本と違って反応がストレートなんで、うれしかったですね。

Temjin:1週間同じフェスでずっとライブをやっていたんですが、日に日にオーディエンスが増えていって嬉しかったですね。最終日にはものすごいことになってました。

Bobsan:ステージによってオーディエンスの数も違うんですけど、1万人とかいて、そんな大人数の前で演奏したことが今までなかったので、逆に冷静になってしまいました。

Temjin:僕は緊張しているつもりではなかったんですが、演奏していて、「あっ、今日力んでるな」ってわかるんですよね。その時のステージはいつもより15分くらい短いステージだったんですが、終わった時に疲れきってましたね。

Bobsan:おととしのFUJI ROCKに出た時も緊張しましたね。昨年はリリースがなかったんで、出演することがなかったんですが、今年は是非、FUJI ROCKの大きなステージでまた演奏したい。今年はフェスや海外を含めていろいろなライブをやって行きたいと思っています。

・音楽フォーマットについてどういうことを考えていらっしゃいますか?

Bobsan:僕自身はパッケージにこだわっていきたいですね。音楽鑑賞はジャケットやライナーノーツを見ながら、音を楽しむことが一番いいと思っています。

Temjin:Bobsanほどこだわりはないのですが、やっぱり、パッケージとして所有する喜びってあると思うんです。僕らの音楽が広まるんであれば、配信もいいと思いますが、それだけにはしたくないですね。

・ファンの方へメッセージを

Bobsan:長く聴くとじんわりと味わい深いものになっていると思っています。CDを聴いて楽しんでもらって、是非ライブ会場に足を運んでください。

Temjin:前作以上にバリエーションがあるものに仕上がっていると思うので、1stアルバムと今回のアルバムを聴き比べてほしいと思います。ずっと長く聴いてほしいと思います。

マウンテン・モカ・キリマンジャロからサウンドファインダーのみなさんへ

MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO “UHURU PEAK” Release Tour 2010

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2月11日(木)仙台CLUB SHAFT
2月12日(金)山形Sandinista
2月13日(土)登米CAFÉ GATI
2月14日(日)盛岡ni-ju@sakuragaoka
2月28日(日)静岡Boom Boom Bash
3月12日(金)熊本Felicia
3月13日(土)福岡Eary Believers
3月26日(金)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
3月27日(土)神戸VARIT
4月2日(金)名古屋APOLLOTHEATER
4月10日(土)渋谷club asia【Tour Final】※チケット先行予約割引あり。
全国ツアー順次決定中!詳細はウェブへ!(http://www.kilimanjaro.jp)

ツアーファイナル先行予約のお知らせ!
4月10日(土)開催の東京公演につきまして、早割を実施します!
2月7日 23:59までに「ウフル・ピーク」に封入されているフライヤー記載のURLにてお申し込みいただいたお客様に限り早割価格2800円となります。お見逃しなく。

ディスコグラフィー

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2008年リリース 1stアルバム絶賛好評発売中

サウンドファインダーではシングル盤含めて絶賛発売中

2月 5日, 2010 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

SOUND FINDER Interview with The New Master Sounds

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2008年のFUJI ROCK FESTIVAL出演以来、日本での知名度が急激にあがったというThe New Master Sounds(ニュー・マスターサウンズ)。DJケブ・ダージに現世で間違いなく最高のファンクバンドと称された彼らのライブパフォーマンスは折り紙つきだ。インタビュー前日にはclub asiaで開催された<in business>にライブ終了後ゲスト出演、ステージでオーサカ=モノレールと“Tighten up”を披露し、集まったファンを狂喜させた。
彼らのサウンドを聴いていて感じることは、質感がざらっとしていて、生々しいことだ。小奇麗にまとまった感じではなく、飛び出す音は強靭なファンクの塊。この秘密を今回は探ります。

・世界各地でツアーをやっていますが、アルバム発売後のツアーということもあり、今までと何か違った印象などはありますか?

Simon:アルバムから多くの曲が演奏できるので楽しいし、お客さんもCDをよく聴いているのか、反応も良くて満足しているよ。沢山のお客さんが来てくれるのがうれしいね。

Eddie:ツアーをやっている中で曲をブラッシュアップしている感じで、日に日によくなっているのもいいことだと思うよ。

・日本の印象はどうでしょうか?

Simon & Eddie:明日帰るからさびしいねえ。

Eddie:ようやく時差ボケも治ったんだけどなー(笑)1週間くらい滞在できれば、もっと楽しめたかも知れないね。

Simon:今回のツアーはSmash(プロモーター)の仕切りが良くて、すべてに満足しているよ。

Eddie:時間があったらスキーとかしてみたかったな。

Simon:僕は京都に行ってゆっくりしたかったな。今回のツアーで大阪も行ったので、途中京都通ったんだけどね。昔一度ライブで京都に行ったことがあるんだけど、ライブが終わったのが夜中だったから、周りが真っ暗で何も見えなかったんだよね。いつかはゆっくりと巡ってみたいね。

・録音技術が発達した結果、生々しい音楽が失われている感じがするのですが、The New Master Soundsのサウンドについてはそのような印象はなく、どのように録音しているかということが気になったんですが。

Simon: Eddieがパソコン使って一人で作ってんだよ

Eddie:そうそう!
(一同爆笑)

Simon:ホントは、僕らの住んでいるリーズに古いスタジオがあって、そこで録音しているんだけど、そのスタジオでは、メンバー全員がスタジオに一緒に入って一発録りなんだ。お互いの顔が見えるくらいの高さのパーテーションで仕切られていて、お互いの様子を見ながら演奏する。録音はパソコンではなくて、テープにしているんだよ。

Eddie:ライブのフィーリングを大切にしていて、1時間くらい練習して録音するようにしている。そうしないと音がフラットになって、面白くなくなっちゃうんだ。2、3テイク録音してダメだったら、こだわらず次の曲を演奏することにしている。

Siomon:大切なことはリズムを一定に保つようなクイックトラックは使わないようにしてるよ。演奏していて、興奮してきてリズムが揺れたりするのはそのまま表現することで、バンドとしての一体感が生まれ、生々しい音楽になると思うんだ。

Eddie:収録終わったものはパソコンに取り込んで、僕が自宅でミックスダウンして、でき上がったものをスタジオでレビューするんだけど、これが一番効率的作業ができるね。

(ここで、Eddieがセットリストを考えるために退席)

・この録音技術の進歩は音楽にとって非常に大きな問題で、ある程度の作品はどうにかなるというと思うんですが、『Live in San Francisco』(ライブ盤)は手の込んだ編集をしているという印象がなく説得力があります。

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Simon:サンフランシスコという街は特別な街で、そこで暮らす人たちの音楽に対する想いとかが大きいと思うんだ。演奏もオーディエンスによって変わってくるから、ライブ盤を出すにあたって、あえてサンフランシスコを選んだというのもある。

アメリカでのライブアルバムのニーズというのは実は、それほどないんだけれども、日本ではライブ盤も売れる。僕たちが関わっているマーケットの中ではCDセールスについては日本が一番大きいと思うよ。
今回のツアー、特に東京でのライブは最高の演奏ができていると思っているんだ。それは東京のオーディエンスはライブ中に飲み物を買いに行ったり、お喋りしたりしている人っていないし、音楽に集中しているのがわかる。

音楽に集中しているエネルギーを凝縮したような東京でのライブレコーディングもしてみたいな。あえて東京らしいとか、エキゾチックなとか、そういうものではなく、純粋に良い演奏を聴いてもらうというところでアルバムを作ったら、アメリカでリリースしてみたいし、反応を見てみたい。

・70年代には沢山のファンクバンドがいて、どのバンドも演奏力がありましたが、現在のファンクバンドではあなた方のような編成で、これほどまで厚みのある演奏ができるバンドは聞いたことがない。これは何が違うんでしょうか?躍動感が全然違います。

答えになっていないかもしれないけど、今ではいろんな音楽が沢山あって、昔のように一つのジャンルにバンドが集中するようなことがなくなったんだと思う。昔はファンクがメジャーだったから、多くのバンドはファンクを演奏したけど、今ではそういうことがなくなったんだと思うよ。いろんな音楽があるからね。
僕はイーグルスやピンク・フロイドなどのロックも好きだけど、70年代のファンクやロックには共通する何か特別な雰囲気みたいなものがあったような気がする。ところが80年代に入ると、録音技術や機材が発展したおかげで、音楽そのものがつまらなくなってしまったような気がするし、音楽にもいろいろなものが登場してきたよね。こんな状況で、ファンクバンドも僕たちを含めていろいろあるけれど、一時代を築くような名声を得られるということがイメージできないから、バンドをやるというモチベーションが低くなってしまっているんじゃないかな。

・音楽産業は大きな転換点を迎えています。今までと違った音楽の楽しみ方が出てくる中で、CDやレコードなどのパッケージ商品はどのようになると思いますか?また、そのような時代の中であなたはどのようなことを今考えられていますか?

Simon:僕らは元々CDのセールスに頼っていたわけではなく、ライブ中心に収益を上げてきた。これは古いやり方なのかもしれないけど、今になって考えてみると、これが一番正しいやり方だったのではないかと思ってるよ。
日本は特別で、元々CDが売れていて、リスナーにとってCDはアーティストと自分をつなぐものというイメージがあるようだし、所有するということにこだわる人種なのかなって気がする。アメリカのような大きな国で自分たちのCDを販売しようとすると、流通に乗せることも大変で、大都市以外の小さな町でCDを販売するということはとても難しいことなんだ。
ところがiTunesが登場以来、僕らの音楽はいろんな人に聴いてもらう機会が増えた。アメリカではツアーで小さな町とかにも行くんだけど、ライブが終わって、リスナーが家に帰ると、そこでiTunesを使ってアルバムを購入できるってことだよね。これってすごいことだよね。

ここにきてiTunesの売上もどんどん上がってきていているんだ。僕はバンドの他にレーベル運営をしているけれども、このiTunesのおかげで大きな収益を上げることができるようになっていて、自分たちのような小さなバンドが大きなアメリカのマーケットで知ってもらうためには、デジタル配信というのはとてもありがたい仕組みだよ。

しかし、困った問題なのは、ファイルシェアリングのような形で、全世界に広がってしまうことなんだ。実は新しいアルバムの『Ten years on』は日本でしかリリースしていないんだよね。リスナーが、いい音楽だからシェアしたいという気持ちはわかるんだけど、日本以外でCDがリリースされていないので、このようなことになると、他の国でリリースすることができなくなってしまうかもしれない。

・でも、ライブの動員は増えているのではないでしょうか?

Simon:うん。増えたね。アメリカの大都市では600人位のクラブでもソールドアウトにできるようになってきたけど、まだすべての都市でそんな感じではないんだよね。
ただiTunesをきっかけにライブに足を運んでくれるお客さんが増えて、初めて僕たちの演奏をライブで聴いたお客さんがiTunesで僕たちの音楽を買ってくれたりすることで、どんどんライブの動員が増えている感じだけど、日本ではCDの売上が高いので、これからどうなるか気になるところではあるんだ。

・ダウンロードの音質って気になりませんか?

Simon:アメリカでは、iTunesで僕たちの曲を聴いている人がほとんどだけれども、その多くのリスナーはライブ会場でCDを購入してくれるんだよね。僕たちの音楽に興味があるファンは、本当はどういう音がするか?ということが気になる人が多いんじゃないかな。

Message from The New Master Sounds

時間がなくて聞けなかったんだけど、僕は彼らに「アメリカって最近Funkしてないんじゃないか」ってことが聞きたかった。次回はそのあたりも話を聞いてみたい。
印象に残ったのは、録音はテープにしているということ。しかも演奏は一発録音。これだ、彼らのサウンドの生々しさのカギはここにある。

インタビュー終了後、ライブをみた。常にツアーで世界各地を回る彼らのパフォーマンスには、その実績と自信が音になって表れている、そんな印象を持った。

途中休憩をはさんで3時間半のライブを立ったままで見るというのは、オジサンの僕にとっては厳しいけど、音楽に飢えている若いオーディエンスは忘れられない夜になったんじゃないかな。そいえば、「神がかっている!」と興奮して、踊り狂っている若者がいたんだけど、なんかとってもほほえましかった。音楽が目の前で呼吸している瞬間だったような気がする。

2008年来日した時にライブの模様はこちら。みんな若い!

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The New Master Sounds6枚目のアルバム「Ten Years On」絶賛発売中! 

オフィシャルサイト

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サウンドファインダーではシングル盤含めて絶賛発売中です。

2月 5日, 2010 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/01/15

SOUND FINDER Interview with Kenichiro Nishihara

Kenichiro_nishihara_pic 前作Huming jazzはインディーズでしかも、ノンプロモーションだったにも関わらず、異例のヒット作となった。今回LIFEと名付けられた2ndアルバムには多数のゲストミュージシャンが参加し、前作にもましてメロディアスな作品となっている。1月15日の発売に先駆け、サウンドファインダーでは西原健一郎にインタビューをすることができた。

・ブログを読んでいたんですが、広範囲な音楽的な趣味がうかがわれます。音楽を始めたきっかけはどういうことだったんでしょうか?

中学生のころちょうどメロコアなどが流行ったりしていて、エレキギターを購入し、バンド活動を始めたのがきっかけです。高校の頃はバンドだけではなくMPCを購入して自分でトラックを作るようになり、本格的な音楽制作を始めました。でも、そのころももちろんバンドも続けていて、コンテスト荒らしのようなこともしていました(笑)

高校2年生のころ、藤原ヒロシさんのプロデュースでMilkというブランドのファッションショーがあり、若い奴にショーの音楽をやらせてみようと誘われたのがこの業界に入るきっかけでした。
それが17歳の時で、ギャラの代わりに洋服をもらって喜んでいたんですが(笑)いつしかいろいろなところから話をいただくようになり、デザイナーのやりたいことを音にして、ファッションショーを仕上げるということを始めました。
それほど、ファッションに対して熱意を持っていたわけではないのですが、仕事として音楽に携われることがうれしかったです。

・DJには興味があったのですか?

いろんな音楽が好きで、バンドだけでなく自分ひとりで完成させることができるのであれば、自分ひとりでやってみたいという気持ちもあったので、DJには興味がありました。僕が高校生の頃、世間的にもダンスミュージックが認知され始めた感じで、Techno、House、Hip hopなどいろいろな音楽がありました。僕もこれらの音楽は聴いていて、そのころDJ KRUSHとかが好きだったんですが、ダンスミュージックを追いかけているうちにレコードを買うようになり、DJもやるようになったという感じです。

・アルバムについてお伺いします。メロディを大切にしている印象を受けますが。

子供の習い事として、ピアノを習っていましたが、長く続けることができず、小学生に上がるころには辞めてしまいました。
高校生のころJazzに興味を持ち始めたんですが、Rockのようなギターをかき鳴らすようなコードでは表現することができないとわかり、Jazzピアノの先生のところに弟子入りのような形で再度ピアノを始めたんですが、ここから少しずつ、演奏の幅が広がって行きました。

自分は好きな音楽の共通点を紐といていくと、ブルースの3コードが好きなわけでも、ブラジルのサウダージ感でもなく、メロディそのものが好きなんだということに気付きました。このきっかけは、例えばJazzy hip hopが流行っていたときに、Ahmad Jamalのサンプリングが綺麗に響くのはJazzうんぬんじゃなくて、メロディだと感じたんです。メロディはリードをとっている楽器やボーカルだけではなく、ちょっとしたリフにも存在しうると。
今回のアルバムはソロであったり、リフであったり、そういう部分にも良いメロディを潜まして、メロディーが厚い層を成している感じに仕上げようと思いました。

・Hip hopやHouseなどバリエーション豊かな曲が多く収録されていますね。

その時々でハマる音楽があるのですが、最近はものすごくハマって聴いた音楽というのがありませんでした。
飽和状態のような印象があって、そのような状況を反映して、今回のアルバムはいろいろなタイプの音楽が入っているのかも知れません。
自分自身、今どんな音楽が好きか?と問われれば、最近は新しいものではなく再発ものの音源を聴いたりしています。

・制作にあたって苦労されるところはどういうところですか?

自分が聴いている音楽は圧倒的に欧米の音楽が多く、作品を仕上げるにあたって、海外のアーティストをフィーチャーして制作するということは自然な発想でした。音源はもちろん、契約書もメールでやりとりをして、作業を進めていきましたので、顔が見えない中で、 信頼感を得て意志疎通を図るということが大変でした。今の時代だからできる便利な方法ですが、逆にそこが大変なところでもあって。

・ラップや歌についてはどのよう入れてもらったんですか?

ラップについては基本、アーティストに任せますが、1発OK!ということは滅多にないので、何度かやりとりをしながら進めていきます。
歌については仮歌を入れておく場合もあるのですが、そこは無視してもらってかまわないので、アーティストが感じるままに歌ってもらうようにしました。

話は変わるんですが、制作は将棋に似ているような気がしていて、でも、将棋のなんたるか?を別に知ってるわけではないんですが(笑)
将棋の対局は、いくつかの型があって、その型の中でどちらの選択をするか?ということが頻繁に現れます。
制作でもばっちり縦を合わせるのか、ばっちりピッチを合わせるのか、そんなことを考えるんですよ。ここはフルートよりトランペットのほうがよかったんじゃないかとか。
正解はないけど勝負はつく。
対局が終わった後に、ガッツポーズとかしないじゃないですか?終わった後、二人して盤を眺めながら、じっくりと振り返る。勝敗の分かれ目はいくつかあると思いますが、制作についても同じようなことがいえると思います。制作途中のどこかまで戻って、リワークという感じで作品を再度手掛けるということもしようと思っています。

・今回のアルバムについての聴きどころをお願いします。

アルバムタイトルがLIFEですが、制作当初から漠然と大きなイメージのタイトルをつけたいと考えていました。
歌詞についてはアーティストに自由にお願いしているのですが、偶然にも参加してくれたアーティスト全員にポジティブなメッセージが強く、まさにLIFEという感じでした。一番最後に収録されているアルバムタイトル曲には「毎日の生活の中にこそ大切なものがある」というような意味が含まれているのですが、このメッセージを感じて欲しいです。メロディも大切なんですが、詞に込められたメッセージも力強く感じるアルバムです。

音楽業界を含め、日々ネガティブな話題が多くあり、何となく閉そく感があるように思うのですが、アルバムを制作している間は日々の生活にポジティブなパワーがみなぎっていました。そういうところがリスナーの皆さんにも伝われば嬉しいです。

Life_artwork ・ジャケットデザインについて教えてください。

ジャケットについては写真でも絵でもタイポグラフィでもかまわないのですが、唯一の判断基準としてこの作品にふさわしいかということ。ありか、なしか?ということだけでした。いろいろな候補の中で芸大の学生が書いてくれた作品がしっくりきたという感じです。作品を手に取った時、ジャケットがアルバムの世界観を最初にリスナーに伝えてくれるものだと思っています。

・どのようなリスナーに聴いてほしいですか?

1枚目のアルバムはHumming Jazzというタイトルでしたが、もちろんJazzではありませんでしたし、今回のアルバムもJazzの要素は入っていますが、Jazzではなく、自分ではPopsに一番近いと思っています。むしろCDになる音楽はすべてPopsになりたいんじゃないかとさえ思います。
音源はひとたびパッケージ化されると、大量生産に向かっていく。音楽ソフトというのはいろいろな人に聴いてもらうことを最初から指向しているものだと思うんです。つまりPopsになるために生まれてきたんだと。
ジャンルに関係なくいろんな人に聴いて欲しいアルバムです。

・今後の予定について教えてください。

3月5日に代官山LOOPでライヴを予定しています。ぜひ皆さんに遊びに来てほしいです。今までほとんどライヴ活動をやっていなかったので、僕自身もとても楽しみです。
できれば、ツアーなどもできればと思っています。

数年前、音楽を作る必然性を感じることができず、無理矢理音楽制作をしていた時期があるんですが、そのようなスランプから脱却できたのは、カバー曲を手がけたことでした。昔の素晴らしい曲を今の時代に蘇らせることで、逆に新しいものを作りたいという欲求がなぜかものすごく出てきました。これからも3作目、4作目と続けてアルバムを制作をして行きたいと思います。
それから、LIFEから6曲入り12inchを発売します。アナログにはCALMさんにリミックスをしていただいたトラックも収録され、とても深い世界観になっています。楽しみにしていただければと思います。

・今の音楽業界は西原さんにとってどのように見えますか?

レコードショップがどんどんなくなっているのがとても寂しいですが、リスナーの音楽の楽しみ方が変わってきたような印象を持っています。楽しみ方が変わっただけで、音楽に対するリスナーの欲求は変わらないと思うので、ライヴや現場でしか見れないものも充実させたいです。

音楽業界は逆に僕たちのようなインディーズはすごいチャンスだと思います。今まで使えなかったようなスタジオを低予算で使用することができたり、製作費に関してもメジャーとほぼ変わらない予算で制作するもことができる。

CDは未完成なメディアだと思うので、デジタルディストリビューションにとって代わられ、近い将来無くなっていくと思います。逆にレコードというメディアはある意味完成されたメディアなので、まだまだ生き続けると思います。取り返しのつかないものだからこそ大切にできると思う。それは例えばレコードは傷ついたら取り返しがつかないということ。人間にとってものを大切に扱うことはリラックスだったり、落ち着く行為なんじゃないかとさえ思うんですよね。

僕はデジタルディストリビューションでもたくさんの曲を買うんですが、愛着をもって音楽に接することができないんですよね。無くなったら、無くなったでいいやという感じなんです。僕はまだデータそのものに愛着を持つということができません。

アルバムからの12inchシングルも2月上旬に発売が決定!ハウスリミックスはcalmが担当!!ヴァイナルファン要チェック! 

Kenichiro Nishiharaからサウンドファインダーの皆様へメッセージ

・リリースパーティ
2010年3月5日(金)@代官山LOOP
"LIFE" RELEASE PARTY supported by waxpoetics japan

open:23:30
Kenichiro Nishihara Live set

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1月 15日, 2010 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/12/31

SOUND FINDER Interview with Takeshi Nakatsuka

Nakatsuka1_2 中塚さんとはPCMで一緒にDJしたりしているんですが、先日、「アルバムを来年出すんですよね。」っと言いながら、サンプル盤をいただきました。一緒にもらったリリースインフォを見ると、なんと客演なしって書いてある。どうしてこういうものを作ったのか?ということに興味がわいて、時間をもらって話をお聞きしました。 

最後に語ってくれた「日本のファッションにしても、音楽にしても、アートにしても、エッジの立った人が少なくなってきているような気がするんですよね。お洒落な感じ、お洒落っ ぽい、という人は沢山いると思うんですが、以前だったら尖がった人たちが聴く音楽があり、尖がった人たちが集う場所ってのがあったりした。それが、セレブ ミュージックやクラブミュージックという名のもとに消えようとしている。
お金さえ持ってればセンスも良い、という間違った発想も多いような気がします。
尖がってて、いつも何かに怒っていて、その怒りは社会でもいいし、音楽に対してでもいい。そういう熱い気持ちを持っている人に聞いてもらいたいです。」というメッセージはアルバムタイトルに冠されているRock'n'Rollそのもの。痛快だね!

・映画のサウンドトラックのようなオープニングで始まるアルバムですね。アルバム制作にあたってどんなイメージを持っていたんでしょうか?

今回はファッションブランドの5351とのコラボレーションなんですが、元々の制作についてはデザイナーの岡本さんとアートディレクターの荒木君と3人で心を通わせるところから始まりました。
元々のこの企画が始まるきっかけは僕が荒木君のラジオ番組に出してもらったところからなんですが、二人とも5351の洋服が好きで、荒木君から「岡本さんを一度紹介するよ」って言われたところからです。
それから3人で飲んだりしているうちに、面白いことができたらいいな、ということになって行きました。

・曲とか作られていたんですか?

特に曲を用意していたわけではなかったので、夏ごろから3人で始めようということなってから作り始めたんですが、制作は早い方なので、すぐに曲は用意できました。
その間、5351の方々も僕のライヴを見に来てくれたり、作品を聴いてくれたり、僕の人となりを見てくれたりとしてくれまして(笑)
最初は5351展示会用BGMのミックスCDを、40分間オリジナル曲だけで制作したんですが、それがかなり評判が良かったんですね。それで、次はCDを作ってみようと。
今回のアルバムについては、展示会用のオリジナル曲とはまた別に制作しました。曲の断片を作って送ると、デザインのラフを送り返してくれて、というような作業をしていき、作品を一緒に作る感じで進めていきました。
テーマはサーカス。このイメージに合う洋服と音楽と映像を作っていきました。
5351の2010年春/夏コレクションは、僕の音楽をイメージして洋服を作ってくれています。

・制作に苦労することはないんですか?

何だか空中に電波が飛んでいる感じで、ふっとそれを掴んで曲にできるんですよね。なので、ひっきりなしに曲のアイディアはあります。たとえば「今、5分あげるから、曲を作って」って言われればできるし。こういうことができるからこの仕事をやっているというのもありますね(笑)
失恋したり落ち込んだりしても曲だけでも浮かんでくる。

・普段に比べて制作は大変じゃなかったですか?

今回のプロジェクトは精神的なコラボレーションから始まりました。なので、無駄にスタジオに入りました(笑)
普段依頼される仕事の場合は締め切りが決まっているので、それに間に合うように制作を進めていくんですが、今回の制作については、いったりきたり差し戻しがあってよいということを前提に作りました。スタジオに入りながら曲をブラッシュアップする感じですね。共同プロデューサーの石垣健太郎さんやエンジニアの方にも理解してもらいました。

・皆さん、その進め方に嫌がりませんでしたか?

石垣健太郎さんは付き合いが長いので理解してくれていたと思うんですが、エンジニアの方は嫌がってましたねえ。
文句は言わない人なんですが、時々「チッ、チッ」という舌打ちが聞こえてきました(笑)
毎日が宴会のようなスタジオでした。みんなで飲みながらって感じで。酔っぱらってくると僕が使いものにならないので「後は、よろしく!」ってなるんですが、次の日になると、「このミックスじゃダメ」と僕が差し戻す。エンジニアにしてみればたまったもんじゃない。独裁者、中塚武で作りました(笑)

・今回は客演なしということですが。

音楽を自分一人で完結させることで、デザイナー、アートディレクターとの正三角形のコラボができたと思います。
どなたの仕事もスタッフは回りにいますが、作品はみんな基本一人で作るので、当然僕も客演なしで作ろうと思いました。
最近はサウンドプロデューサー的な人が多くて、ボーカルなどは海外の方を起用している場合も多いと思うんですが、それをやっちゃうと、正三角形のはずなのに僕だけ助っ人外国人がいる感じで良くないし(笑)
正三角形のコラボレーションにするためにも、全ての音を自分から発信したいと思いました。
いろんなアーティストがサウンドプロデューサー的な作品を作っていて、みんなかっこいいし、ある一定の水準に辿りついているなと感じるんですが、それはもう僕がやる必要もないかなと感じています。僕は僕でしか聴けないものを作ろうと思っています。
1月24日に麻布十番WAREHOUSE702でライヴをやるんですが、そのライヴでもこの3人のコラボレーションを見ていただきたいと思っています。

・今回のアルバムはどんなことにインスパイアされたんでしょうか?

僕は元々Funkが好きでした。また大学生のころ好きだったAcid JazzやRare Grooveだったり、どこかで自分の好きなそういうものを意識した部分もあるかもしれません。あと、歌詞についてもとても気を配って作りました。
今回の作品については僕たち3人の世界観から生まれた舞台を歌詞にしています。


・辰緒さんのディスクガイド「Doundble standard」でピックアップされていた音楽と最近、中塚さんがDJをする時にプレイする楽曲がずいぶんとかけ離れている感じがしますが。

DJはミュージシャンとは別の考え方があると思うんです。今新川さんと一緒にやっているPCMもそうですが、DJの時はお客さんこそが主役だと思うんです。DJの方を見ながら踊っている人なんてヨーロッパにはいないんですが、日本はアーティストのライヴを見るような感じで全員がDJを見てる。そうではなくて、DJは踊っている人をサポートするのが本当だと思うんです。PCMはそういう日本的ではないヨーロッパ的な感じがいいんですよね。
お客さんをサポートするという点で、DJはその都度その都度の流行を意識していかなきゃダメだし、臨機応変にその場の雰囲気を作るのが本物のDJだと思う。
僕はDJではなく、ミュージシャンとしての中塚武であることを強く意識しています。流行っている音楽を追いかけるのではなく、客演なしの自分の音楽を作ることができたということが今回はとても大きかった。
以前だったら制作途中に「この曲はフロアで使えるかどうか」を意識していたんですが、今回は全くそういうことは意識しませんでしたね。
ただ、前作Kiss & Rideは12inchのヴァイナルが出たように、今回もフロア向けに再編集したものをヴァイナルで出そうかという企画が進行中です。


・今はどんな音楽を聴いているんですか?

仕事柄いろんな音楽を聴いていますが、この2,3か月は打ち込みの音楽を全然聴いていませんねー。最近はアフロキューバンだったり昔のR&Bだったり、生音系の音楽に回帰している感じです。今回の作品を作っているうちにどんどんそっちの方向に行っている感じです。
打ち込みの音楽ってPCの中で完結できる音楽なので、フィジカルな部分がどんどん薄れてきている。DJもPCでやることが普通になってきている。それはそれで面白い世界があるんですが、今の僕がやるべきことでもないかなと。
歌を歌ったりすると身体を作らなきゃならないので、「今日は調子が悪いな」とか「今日はいい感じだ」というのが分かるようになるんですよね。でも、PCだと「今日は調子悪いな」とかって無いでしょ?パソコンそのものの調子が悪いってことはあるけど(爆笑)
こういうことは自分で歌を歌うことで初めて分かった世界ですね。
これからはこれをデフォルトで行きたいと思います。

・聴きどころをお願いします。

いろんなことをやっているようで、7曲全部通して聴くと、筋が通っているような感じだと思います。まず最初に全曲を通して聴いてもらって、気に入らなかったら買ってもらわなくてもいいや(爆笑)
GrooveとしてはPrinceやBeckのようだという意見もあったり、The Alan Persons Projectに通ずるという意見もあったり(笑)、この音楽がどのジャンルになるかというのは自分では分からないですね。

僕が思うに、日本のファッションにしても、音楽にしても、アートにしても、エッジの立った人が少なくなってきているような気がするんですよね。お洒落な感じ、お洒落っぽい、という人は沢山いると思うんですが、以前だったら尖がった人たちが聴く音楽があり、尖がった人たちが集う場所ってのがあったりした。それが、セレブミュージックやクラブミュージックという名のもとに消えようとしている。
お金さえ持ってればセンスも良い、という間違った発想も多いような気がします。
尖がってて、いつも何かに怒っていて、その怒りは社会でもいいし、音楽に対してでもいい。そういう熱い気持ちを持っている人に聞いてもらいたいです。
ま、これを聴いてますます怒っちゃったりするかもしれませんが(爆笑)

・今後の予定を教えてください。

この3人で全国ツアーを回る予定です。
2009年は年間15回ほどライヴをやったのですが、2010年はライヴの比重をもっと増やしたいと思っています。

リリースインフォメーション
Rocknroll_circus_2
タイトル:ROCK'N'ROLL CIRCUS
発売日:2010年1月20日
商品番号:UPCH-1766
価格:2000円(税込)
収録曲:
01. Countdown to the End of Time
02. Johnny Murphy
03. Luv’ tween the Sheets
04. On and On(リード曲:PVあり)
05. Stompin’ Jack Flash
06. ぼくらの世界(You and Me and the World)
07. Circus (Set Me Free)

・サウンドファインダーの皆さんに中塚さんからメッセージ

リリースパーティの情報はこちら

中塚武オフィシャルサイトはこちら

12月 31日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/25

SOUND FINDER Interview with KENTARO TAKIZAWA

Kentarotakizawasubasha いろいろなところで顔を合わせることがあっても、今回インタビューさせていただいたような、長い時間をとって話すことが、実なかった。僕はレコードも買うので、サウンドファインダーでいつもチェックしてますよというKentaro TakizawaのNew albumについて話を聞きました。

今回はメジャーからのリリースですが、何か状況の変化や心境の変化はありますか?

以前は作品をリリースしても、割と世間的にほっとかれてた感じがするんですが(笑)、今はみんながかまってくれるような気がして、ありがたいと思っています。
昔からの知人たちも喜んでくれていて、僕自身もうれしいです。

プレッシャーに思うことはありませんか?

プレッシャーに思う事はありませんね。
むしろ、もっと皆を喜ばしたいと思っちゃいますね。
僕自身、鈍感で不器用な感じなんで、プレッシャーを感じるというより、状況が変わっても、精神的に変わることはないと思うし、今の環境をもっと良くしようと思いますね。そのために自分がやらなければならないことは、良いアルバムを作るということだと思って制作に神経を集中させますし、制作が終われば、作品を少しでも多くのリスナーに届けたいと思うので、プロモーションにも積極的に加わっていきたいと思います。スタッフの皆さんのおかげでこれまでもやってきてるんですが、自分でできることは、自分でやりたいなと思っています。作品が世の中に広がるために、できる限りのことはやりたいと思っています。

制作期間はどのくらいだったのでしょうか?

前作『Heart to Heart』をリリースしたのが2年ほど前で、その後、プリプロダクションをずっとやっていたんです。本来であれば昨年位にリリースできればよかったんですが、自分の中に迷いがあって、制作に入り込むことができなかった。自分のネガティブな感じが音にも表れてたと思います。当時の自分的には弱いつもりではないんですが、今振り返ってみると、へなちょこだったなと思うんです。人生を甘く考えていたなと。

今まで環境に恵まれていたんですよね。音源を作ったら、すぐリリース出来るというような感じで来たので。でも、そういうのって本来は普通じゃないですよね。なので、なかなかリリース出来ない事に気持ちが参ってしまって、去年引退を考えました(笑)
というか、「このまま、自分はいなくなっていくのかなぁ」と思うと、悲しかったです(笑)

なので、今年の1月にエイベックスから話をもらった時はとてもうれしかったです。蜘蛛の糸にすがる思いというか、とことんいいものを作ってやろうという気持ちになりました。

前作『Heart to Heart』を出した時、これを出したら、次のステップに行けるという確信があったんですが、それが実現しなかったと思っているんです。
次回作については絶対に売れなければならない、だけど、かっこ悪いものは作りたくない。こんなことが頭の中で渦巻いていて、途中、何をやっていいか全然分からなくなっていた時期もありましたが、ある日気がついたんです。たとえば配信サイトのチャートでNo.1になるような曲が現場(クラブ)でかかっていることって少ないんですよね。あれはおかしいんじゃないか? 元々ハウスは”かっこいいもの”でフロアからヒットが生まれるものだったのに、なんでそれが成立していないんだろう??僕はハウスDJだし、”かっこいい”と思えるものが好き。そう、あまり他のこと、売れるとか売れないとかそういうことを考えず、KENTARO TAKIZAWAらしいハウスを作りたいという気持ちになりました。
そんな素直に制作に没頭できるような気持ちになったのは、今年の1月になってからですかね。そこから本格的に作業を開始しました。

アルバムにタイトルについてお伺いします。BIG ROOMというのは直訳すると大きな部屋ですが、どのような意味が込められているのでしょうか?

クラブで言うところの”大箱”という意味です。
今回、アルバムに参加してもらったRyoheiさんとはプライベートでも仲が良くて、遊びの延長線上でノリで作ったのが、2曲目に収録されているHeartbeatという曲です。この曲は出来た当初からクラブとかでテスト的にプレイしていたのですが、ある日Alex from Tokyoに聴いてもらったら、彼がこの曲の事を「Oh! big room tune!」って言ったんです。その言葉の印象が強くて、”Big Room”なアルバムを作りたいと思うようになりました。
内容については、元々僕はメロディアスな歌モノを聴いてきていたし、何よりも大好きなので、音楽制作の上でも根底にそういう嗜好があると思います。そのメロディアスな部分に今回は、パワー感を付け足したいと思いました。
もしかしたら、パワー感とメロディを両立させる事が、KENTARO TAKIZAWAのハウスなのかもしれない。

制作するうえで心がけたことはありますか?

前作の経験を踏まえ、反省したことは、曲自体が持つパワーが足りないと思ったんです。
クラブに入った瞬間に、一気に引き込まれるような勢いがあるような曲を作りたかったんです。”Big Room”というコンセプトを決めた時から、そういう感じを意識するようになりました。
あと、僕はDJも現場でずっとやっているので、新譜も常にチェックをしていますし、そういう今のリアルなフロア感・DJ感は、うまく表現したいと思いました。
曲作りやアレンジに関しては、学生のころ、バンドでキーボードをやっていたので、そこで培ったコード感とかリフの作り方とかそういうものは活かされている気がします。あと、みんなでセッションする感覚、ライヴ感という事は、特に大切にしました。特にKeep love togetherは忘れらないレコーディングでしたね。

アルバム全体を通して、こんな楽しいレコーディングは初めてでした。一番自分の意思を持って作ることができたアルバムだったと思います。いろいろと悩みながら作ったところもあるのですが、その悩むことさえも楽しかったです。

どういうリスナーに聞いてほしいですか?

ありとあらゆる人たちに聴いてほしいなと思っています。むしろ、ハウスというものを知らない人にも聴いてほしい。
ハウスを知らない人を引き付けるためには何が必要か?と考えた時、曲のパワーだと思ったんです。決してAirとかageHaの週末にいる人たちすべての人がハウスが好きとは限らない。あの箱が好きだから、そこにいるという人が多いと思うんです。そんな人たちも曲のパワーに引き込まれて踊っているじゃないですか、そういうものを作品にしたかったんです。

海外のリスナーに向けてはいかがですか?

KENTARO TAKIZAWAのハウスを作るという中で、日本語の歌詞は最初から考えていませんでした。できれば海外にもアプローチしてみたいです。
DJをプレイしにいって、こてんぱんになってみたい(笑)
僕、ほっとかれると現状に満足して、天狗になってしまいがち(笑)なので、そういうシビアな経験を通して成長していきたいと思います。将来的にはいい意味で、先輩をぎゃふんと言わせてみたいですね。

ツアーも決まっていますよね?

そうですね、11月から来年の4月まで、北海道から沖縄までまわります。

リスナーへメッセージを。

自分が欲しかったもので、自分がやりたかったものが出来上がったので、
このアルバムを通じて、”KENTARO TAKIZAWAが考えるハウス”を、皆さんにも感じてほしいです。そしていろんな、より多くの人に”ハウス”という音楽を聴いてほしいと思います。

Bigroom_kentarotakizawajk リリースインフォメーション
2009年11月25日Release
アーティスト:KENTARO TAKIZAWA
タイトル:BIG ROOM
規格:NFCD-25235
価格:2,800yen
レーベル:avex entertainment/tearbridge records

収録曲
01.Welcome To The Big Room
02.Heart Beat feat. Ryohei & Mika Sawabe
03.Unity feat. Joi Cardwell
04.B.R.D(Big Room Disco)
05.I Can Be feat. Lisa Shaw
06.Can You Feel It
07.One Thing I Know feat. Lady Alma
08.Change For The Better feat. Kimara Lovelace
09.Another Landscape feat. SAWA
10.On The Top
11.Keep Love Together feat.The BIG ROOM Family
a.k.a Mika Arisaka&Ryohei with SAWA,Mika Sawabe


Heart Beat feat. Ryohei & Mika Sawabe

 

Keep Love Together feat.The BIG ROOM Family a.k.a Mika Arisaka&Ryohei with SAWA,Mika Sawabe


  

Kentaro Takizawa "BIG ROOM"Release Tour&DJ Schedule
11月27日(金)@福岡Kieth Flack with Ryohei,福富幸宏
11月28日(土)@熊本INDIGO with Ryohei,福富幸宏
12月04日(金)@新木場Studio Corst "ageHa"
12月10日(木)@渋谷club ASIA、渋谷The ROOM
12月12日(土)@神戸Troop Cafe with Ryohei,SAWA,澤辺美香
12月19日(土)@郡山DOOZ with 栗原暁(Jazzin'park)
12月22日(火)@金沢MANIER
12月25日(金)@柏waRter
12月28日(月)@新木場Studio Corst "ageHa"

*随時更新中。詳しくはホームページまで
オフィシャルホームページ

11月 25日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/24

SOUND FINDER Interview with quasimode

091005_4785 僕にとって前作SOUNDS OF PEACE収録されたFinger tipやmode of blueに収録されたAfrodisia(Kenny Dorhamのカバー)はDJをするときに欠かせない1曲だ。彼らがカバーしたAfrodisiaがきっかけでKenny DorhamのAfro Cubanを知ることがことできたし、何よりもジャズという音楽が踊るための音楽と位置づける彼らの姿勢が好きだ。インタビューにあたり、事前に音源を聴くことができたが、そこに収録されたHappy fewはクリスマスのイルミネーションがきらめく街にぴったり。恋人や家族と楽しんでほしい1曲です。

・今作はBLUE NOTEからの発売ですが、感想をいただけますか。

平戸:今年1月にmode of blueをBLUE NOTEからリリースしたことがきっかけで、今回のアルバムをBLUE NOTEからリリースする光栄に預かったと思います。BLUE NOTEと言えば、ジャズの王道のレーベルですし、ジャズを語る上で最重要のレーベル。そのレーベルに僕たちも参加することができて、とてもうれしく思っています。

今泉:夢のまた夢、幸せですね。

松岡:カバーアルバムをリリースした時点でとてもうれしかったので、オリジナルのアルバムをリリースできるとは信じられないくらいうれしかったです。

・制作にあたって、以前と心境の変化や環境の変化というのはありましたか?

平戸:レーベル移籍第1弾ということ、ドラムに今泉が加入したことなどがあり、quasimodeとして新たな出発をするということで、気合いを入れ直して、制作にかかりました。BLUE NOTEというレーベルについて、僕個人としては子供のころから親しんできたので、先ほどもお話しましたが、光栄なことでした。
ライヴで自分たちの演奏をお客さんに聴いてもらっていく中で、お客さんが自分たちに求めているものがわかるようになってきました。

松岡:僕たちのファンもクラブに行かないようなリスナーやジャズを聴いたことがないようなリスナーも徐々に増えてきていて、前作のmode of blueをリリースしたころからは、ジャズ以外のフェスティバルにも出演することができるようになってきました。こういう状況で、さらに新しいものに挑戦しようという想いがありました。

最近のお客さんの流れを見ていると、クラブに行かないようなファンもライヴ会場にちらほらと見るようになって、年齢層の幅が広がった気がします。女子高生から年配のお客さんまで音楽を楽しんでくれていると思います。

今泉:mode of blueの時とは違い、オリジナルを演奏するというのはまっさらの状態なので、それをどう自分なりに料理をするか?ということは挑戦し甲斐がありました。

・年配のお客さんが増えたというのはうれしいことじゃないですか?

松岡:僕たちのサウンドはそういう世代の方々にも懐かしく感じていただけるようなサウンドかもしれません。それはそのようなリスナーの方々が聴いていた音楽を自分も好んで聴いていたからだと思うんですが。

ジャズは元々黒人のダンス音楽。当時は不良の音楽だったんですが、日本ではジャズの解釈の仕方が違うような気がします。ジャズは難しいものではなく、もっと楽しんでほしいというのが僕たちのメッセージ。若いリスナーにそのメッセージが伝わっているのであれば、とてもうれしいことです。

・今回のアルバムコンセプトやタイトルについて教えてください。

平戸:SOUND OF PEACEをリリースした頃に、CDショップのジャズチャートの上位に食い込むようになったり、大きなイベント、フェスに呼ばれるようになり、自分たちもようやくここまで来たかという想いがありました。それでdaybreakを製作するにあたり、レーベルの移籍、メンバーの交代もあり、今後のquasimodeの方向性を考える上で、今一度、僕らがいつも言っている”踊れるジャズ”ということを明確に打ち出すべきではないかという想いがあり、daybreak(夜明け)というタイトルに決めました。

・曲作りについて、教えてください。

松岡:一歩スタジオに入ったらお互いにバンバン意見を出し合います。なれあいな感じではなく、緊張感がみなぎっている感じですが、そのくらいの想いがないと、いいものは作れない。みなさんは出来上がったアルバムを楽しんでくださっていると思いますが、これを作りだすまでは、どのアーティストさんもそうだと思いますが言葉で表現することができないくらいの苦労があります。

初期の頃は暗中模索しているところもありましたが、ライヴをやっているうちに、お客さんから「quasimodeの音ってこういう感じだよね。」って教えられることも多くなったんです。そういう経験を通して、プロデューサーから意見も頂きつつ、自分たちらしさを追求していった結果、今回のような作品に仕上がった。元々は全員が同じ音楽の趣味の者が集まったわけではないので、ここまでお互いに歩み寄るのはとても大変でした。

今泉:quasimodeでのドラムとパーカッションのおいしい関係がもっともっと作れるのではないかと考えていて、それが実現できるようにしていきたいですね。

松岡:今泉が加入してくれたことで今まで以上に、自分の演奏(ドラムを始めバンドのアンサンブルに対しての)に専念することができるようになって、演奏の幅が広がりましたね。

・Happy fewは新機軸だと思うのですが。クリスマス前に素敵な曲だなと思いました。ウーターヘメルの声ははまってますね。ゴージャスな感じが素晴らしいです。

全員:ありがとうございます。

平戸:コードについてはあのような明るい感じのコードを使ってこなかったので、あの曲を作ったことで、新しい方向性が見えました。

松岡:ジャズのコードってシリアスな感じなので、それはそれですごく好きなのは変わらないのですが、それとは別に、常に新しいコードを使うようなことを模索していました。その中から、生まれた曲です。ボーカルのウーター・ヘメルはプロデューサーの提案だったのですが、お互いの良さが引き立った感じですね。曲を聴いた人が、情景を思い浮かべてくれたら、最高にうれしいです。

今泉:quasimodeの曲はハウスよりのテンポが多いと思うのですが、そのフィーリングを残して、スピンするような感じで3連で叩いているのですが、その旨みが曲を引き立てていると思います。

・Relight my fireは驚きの選曲でした。

松岡:昔からクラブでプレイされつづけているディスコミュージックにはずっと興味があったんです。そういうビートを取り入れたいなと思っていたんですが、そんな時に小松さん(プロデューサー)からあの曲を紹介して頂きました。高宮さん(Flower Records主宰)にもビートやニュアンスの面でいろいろ相談にのって頂きました。

平戸:アレンジに関してはプロデューサーにも相談して、オリジナルに忠実にしていますが、ビートを変えたりはしているので、quasimodeの色は出している感じです。

今泉:個人的にはタイムリーで良かったです。ドラムの音は高い音が流行っているので、そのような中でスネアのローチューングってのが新鮮でした。僕はディスコ世代ではないのですが、最近は当時の時代を反映するようなファッションが流行っているので、時代にマッチしている感じがします。

Relight my fire PVはこちら

・ホーンセクションをパーマネントメンバーで加入させる予定はあるのでしょうか?

平戸:アルバムを出すタイミングで考えたりはしているのですが、この4人だからできる楽曲や表現があると思っています。ホーンにパーマネントメンバーとして加入してもらうと、ホーンを省いた楽曲を作るとかできなくなってしまったり、表現の幅が限られてしまう感じがします。ピアノトリオにパーカッションが入っているというのがquasimodeの特徴で、この表現方法を大切にしていきたいと思っています。

・ツアーの予定はあるのでしょうか?

全員:ライヴは楽しみですね。

松岡:来年の2月からスタートします。quasimodeのCDを楽しんでいただくのも大切なんですが、quasimodeはライヴもお客さんとの重要なコミュニケーションだと思っているので、みなさんに観て、聞いてもらって、楽しんでもらいたいですね。

・最後にリスナーの方々にメッセージを。

平戸:今まで以上に、ジャズを聴いたことがない人にも楽しんでもらえると思います。普段ポップスを聴いているような人たちにも、楽しんでもらいたいです。

松岡:今まで以上に、いろいろなことを試したアルバムです。ジャズの垣根を取り払いたいと思い制作したアルバムなので、いろいろな人に楽しんでもらいたいです。

今泉:ジャズを難しいとか考えず、普通に楽しんでほしいです。

quasimodeからサウンドファインダーをご覧の皆さんへ

Quasimodeh1 リリースインフォメーション
アーティスト:quasimode
タイトル:daybreak
発売日:2009年12月2日発売
価格:2,800円 (税込)
商品番号:TOCT-26916

世界中のジャズ~クラブ・ミュージック・ファンから注目を集め、今や日本を代表するジャズ・バンドへと成長を遂げたquasimodeのEMI移籍第1弾となる待望の4thアルバム。彼らが掲げる“踊れるJAZZ”のコンセプトはそのままに、よりスタイリッシュに・・よりメロディアスに・・、ダイナミックなリズムと艶やかで美しいメロディーが絶妙に絡み合う。「静」と「動」のコントラスト、綿密なバンド・アンサンブルとグルーヴの渦が体を揺さぶる。海外の若手トップ・アーティストが参加し、世界標準と称される“quasimodeサウンド”がさらなる進化を遂げた、新世代によるニュー・スタンダード!

参加ミュージシャン:
ウーター・ヘメル(vo)、チャイナ・モーゼス(vo)、ファブリッツィオ・ボッソ(tp)、有坂美香(vo)

1.All Is One
2.Daybreak
3.Happy Few feat. Wouter Hamel
4.Escape From Darkness
5.Relight My Fire
6.Havana Brown
7.Take Me Out feat. China Moses
8.Feelin' of Four
9.Nation Hill
10.Rules of The Blood feat. Fabrizio Bosso
11.Afro Blue feat. China Moses
12.Jellyfish

For more info:
オフィシャルウェブサイト 
オフィシャルブログ 
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『daybreak』特設サイト 

11月 24日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/20

SOUND FINDER Interview with Tasuo Sunaga

Tatsuo 辰緒さんとの出会いはサウンドファインダーでSAVE THE VINYLというキャンペーンをやった時のことでした。キャンペーンで配布したフリーペーパーに寄稿していただいたのですが、音楽そしてレコードに対する愛情がものすごく深いということを感じました。それからはいろいろなイベントに呼んでいただいたり、渋谷のレコードショップでたまたま出くわしたり、はたまたSHIBUYA FMのスタジオ(辰緒さんもWorld standardという番組を毎週水曜日19時から放送中)で世間話をしたりしていましたが、今回このような形として記録を残せたことはとてもよかったです。ニューアルバムのJAZZ et JAZZは12月2日発売です。HMV、タワーレコードなどでは先着で7inchのヴァイナル特典付きで発売!   

 

 

・JAZZ et JAZZというタイトルについて教えてください

アルバムのタイトル候補はいくつかあったんですが。
ジャズのアルバムと呼ぶには、昔からのオーセンティックなジャズファンにとっ て「これジャズ?!」って印象を持つ人もいると思ったので、「まぁ、ジャズはジャズということで。今自分がジャズだと思うことをやってみました。」的な感じでとらえてもらえればと思っています。今回のアルバムはいろんなタイプの音楽を実践しているので、前作とはちょっと違うイメージになっているかも知れません。


・制作期間はどのくらいだったのですか?

制作期間は2,3か月でしたが、集中して制作することができました。
アルバムを作ろうと思った時には納期が決まっているような状況なので、それまで温めてきたものを粛々と形にしていく作業ですね。


・以前のインタビューで、自分のDJプレイの中で使えるものを制作するというお話をされていましたが。

DJが何のための音源制作をするかというと、現場(クラブ)で使うため。なのでこの考え方は全然変わっていません。ただ、今回は曲によっては現場から離れられたかなと思っています。
自分の趣味がちょっと変わってきているというのもあるので、そのあたりの趣向の変化もアルバムには反映されていると思います。


・辰緒さんの場合、ミュージシャンではなくDJであったりプロデューサーという役割ですが、楽曲制作の進め方はどのようにされているのでしょうか?

このアーティストとコラボレーションしたいからこういう曲を作ろうとか、こういう曲があるから、このアーティストを使おうとか、いろいろな方向から考えますね。アルバム全体の方向性もあるので、それも意識しながら編集していくようなイメージで、それはDJをやっているのと変わらないです。


・その中で困ったことなどはありますか?たとえば、自分が思い描く曲のイメージが伝えられないとか。

正直そういうことはあります。自分が音楽理論的なことを全部わかっていれば問題ないんですが、そういうこともなく、抽象的な指示をするので、意志の疎通ができ ないことがあります。でもそういう時は自分がイメージしているものに近いレコードを聴いてもらって、連想してもらうようにしています。
ただ、今回の作品については意志の疎通が図れないとか、そういうことはありま せんでした。なのであまり驚くこともありませんでしたね。当初から設計図が しっかり決まっていて、完成型が見えていました。以前だと、「あぁ、こういう 風になっちゃうんだ」って思うこともありましたから(笑)
今回のアルバムについては菱山正太くんと万波麻希さんがメインで作業を進めていきましたが、彼らが見事に応えてくれて、イメージ通りになりました。
(菱山)正太くんに関しては若手ピアニストの中でquasimodeの平戸くんと並んで、抜群にセ ンスがいい。今回のアルバムでも彼に出会って、自分の負担が減るなって思いました。
曲作りにおいて、骨格となる構成やメロディがとても大切ですが、自分のイメージを伝えると、彼の場合、それを形にすることができる。
管楽器を入れたり、プラグインで効果音を入れたりすることは後からできるんですが、音像を考えるというところがとても難しい。今回は彼のおかげでこのあたりの作業が非常にスムーズでした。
海外のアーティストについては、できるだけデータのやり取りを少なくしたかったので、完成形に近いデモを作って、それを送って演奏してもらうような形で進めました。アナログな人間なんで、データでやりとりが信用できないんですよね (笑)


・楽器の演奏について、辰緒さんが細かく指示することはあるんですか?

基本的なメロディはあるんですが、それを忠実に守るようにとか、ベースラインはこう弾いてほしいとか、そのような指示はしません。ミュージシャンに任せます。
今回のアルバムのコンセプトに「Confidential」というのがあります。これは許された人たちだけが情報を共有するという意味としてとらえてほしいのですが、今回のアルバムをリスナーの皆さんが聴いて、この作品がきっかけで、参加していたミュージシャンの他の作品を聴いたりしてほしいですね。イメージ的にはミュージシャンとリスナーを結ぶラウンジというものを作りたかった。
今回のアルバムは今巷にあふれている音楽とは一線を画するとっつきにくいアルバムかもしれません。これは今の音楽に対してのカウンターという意味もあります。


・辰緒さんはクインシー・ジョーンズみたいですね。

自分はキップ・ハンラハンみたいになりたいですね。キップ・ハンラハンはワールドミュージックというか、正体不明の音楽をクリエイトしているアーティストなんですが、一度Blue Noteでライブを見たことがあります。ステージ上で最後まで客に背中を向けて、座っている人がいたんです。時折ミュージシャンに耳打ちしているんですが、「あの人なんなんだろう?」って思ったら、その人がキップ・ハンラハンだった(笑)
クインシー・ジョーンズの場合、もっとミュージシャンに細かく指示をしたりしてそうじゃない?
そうじゃなく、正体がわからないような、パンクな感じがたまらない。


・清志郎さんの曲は最初から収録予定だったんですか?

トリビュートというわけではないです。いつもアルバムにはご当地ソングを入れるという約束事あって(笑)
本当はストリングスのカルテットを入れたかったんですよね。
当初のイメージはクラシカルな室内楽と最新のエレクトロを融合させて、座りの悪い、狂気な雰囲気で。
リズムは今新しいジャズなのではないか?というのを当ててみました。


・そういう新しいアイデアはどうやって生まれるのでしょうか?

それは、毎日新しいレコードを聴いてるからじゃないかな。
このアルバムは自分の音楽の履歴が凝縮されていると思います。そのピースが組み合わさった結果です。
いろいろな音楽が本当にたくさんあります。なので、時々理解ができない音楽に も出くわすことがあるんですが、新しい音楽についてはわからないから駄目だとか、そういう風には思わないです。
わからないことは勉強しようと思っています。わからないから駄目だと言うのは勿体ない。


・今回は7inchのシングルもついているという話ですが。

実は冗談で言ったんですが、良くレコード会社の人がOKしたなと(笑)
配信というのはユーザとしては便利だと思いますが、オレはDJなので、そのアイデンティティの部分の表明です。
これは現在の配信ビジネスに対してのカウンター。もし、レコードやCDの パッケージが不要ということになれば、オレも不要なんだろうなと思っていま す。音楽が配信だけになったら、自分は引退でいいです。配信データをDJで使い たいと思いません。CDはデータ配信に取って代わられてしまう危惧もありますが、アナログは残ると思う。ごく少数 の人たちだけかも知れないけど、そういう人たちと想いを共有したいですね。
*注:HMV,タワーレコード他で先着特典でアナログ7インチ付。


辰緒さんからサウンドファインダーをご覧の皆さんへ



リリースインフォメーション
Gncl1228 タイトル:JAZZ et JAZZ
アーティスト:Sunaga t experience
発売日:2009年12月2日
規格番号:GNCL-1228
価格:2,940円(税込)
レーベル:Geneon Universal Entertainment

参加アーティスト:
アキコ・グレース, トウヤマタケオ, Likkle Mai, Jukka Escola, Timo Lassy, Sofia Finnila, arlie, mama! milk, dahlia, Gerardo Frisina, Sebastian Studnitzky, Maki Mannami, and more...

収録曲
01. Autumn Frost
02. Confidential
03. Lilian Mode
04. The St. Vitus Dance
05. Brighter Bossa
06. Sketches Of TY
07. On The Corner Where You
08. A Kite
09. Atmosphere
10. Gold 'n' Silver
11. Hats off to Luciano Berio
12. 甲州街道はもう秋なのさ

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11月 20日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/10/28

SOUND FINDER Interview With COLDFEET

Coldfeet_mj_the_tour_3 「MJ THE TOUR」と名付けられたMichael Jacksonの曲だけで構成されたカバーアルバムをCOLDFEETがいよいよリリースする。この企画はあの事件が起こった後にスタートしたわけではなく、今年の夏に、彼らにインタビューをしたときには、すでにこのプロジェクトは完了していたということは本文を読んでもらえればわかると思う。このアルバムは決して感傷的な追悼盤ではない。ぜひ皆さんの耳でこの作品を確かめてもらいたいと思う。

今回インタビューするにあたり、事前に作品を聴いたが、Beat itとRock with youは何度も聴き返すほどお気に入りになった。

プロジェクトの仕掛かりはLoriさんがMichaelなら歌うよって言ったということが発端になっているようですが?
Lori:まさか、ホントに実現するとは思っていなくて、気軽な気持ちで言ったんですよね(笑)その日はライブで札幌に行っていて、ライブ前のサウンドチェックが終わり、食事をするために外出したのですが、その途中での会話でした。

プロジェクトが具体的に動き始めた時はどのように思われましたか?
Lori:OKが出たよ!って言われたのは昨年の終わり頃だったのですが、最初に思ったのは「えっ!?まだ、あの話はまだ生きていたの?」(笑)。話が進んでいることすら知らなかったので、びっくりして、うれしくて、そして、ひょっとしたらこれはやっちゃいけないことなのでは?と思いました(笑)。
私の体はすごい乗り気でやる気がみなぎっていたけど、脳は絶対それはやっちゃだめ!って言っていて、すごくうれしいけど、すごく危ないなあと興奮していたのを覚えています。

Watusi:ホントは触っちゃいけない人だよね(笑)。

6月26日のことを振り返ってみたいと思います。当日は何をされていたんですか?
Coldfeet_lori2_2 Lori:私は鮮明に覚えていて、前日の深夜はアレンジの作業をしていたのですが、煮詰まってしまって、BADのアレンジがどうしてもうまくいかず、アル・ヤンコビックのFAT(BADのパロディ)を見て、笑ってたんですよ。
気持ちをリフレッシュして、BADのアレンジをして、だいぶ納得のいく形になってきたので、4時ごろベッドに入ったのですが、なかなか寝付くことができず、メールのチェックをしようとPCを開いたところ、友達からMichaelが亡くなったというメールが飛び込んできました。
最初は全然理解することができず、信じられなかったです。

Watusi:僕も前日は深夜までスタジオで作業をしていたのですが、作業が終わってから帰宅して、寝て起きたのが昼過ぎでした。起きるといつもメールのチェックをするのですが、そこにはたくさんの友人からMichael訃報の知らせが届いていました。
寝ぼけていたこともあるんだけど、現実的なこととして理解できませんでした。

Lori:これが本当のことなんだって理解するまでものすごく時間がかかりました。あんなに元気だった人が、突然いなくなるなんて信じられなかった。

Watusi:飛行機事故とか交通事故ならまだわかるけど、自宅で亡くなった??どういうこと?これからツアーに出るんじゃないの?って感じでしたね。
僕たちのプロジェクトもそのころにはデモも作り終えて、いよいよ録音だというときだったので、びっくりでした。
追悼アルバムとかっていうタイプじゃないんで、実はこの訃報にプロジェクトを辞めようかと話し合ったんです。

ただ、Michael含め、Michaelサイドから全曲Michaelのカバーアルバムをリリースしてかまわないという承諾が出たということは、とても名誉なことだと改めて感じていましたし、もうすでに彼は存在しないし、これから先こういうプロジェクトができるかどうかわからないなと思ったら、ここで止めずにこのプロジェクトを進めることが僕たちのやるべき事かなと思い直しました。

追悼アルバムではないということでしたが、リスナーからすると、そういう側面もあるのではないでしょうか?DAISHIさんがリミックスしたROCK  WITH  YOUは特にそんな印象を持ちました。
Watusi:DAISHI君はROCK  WITH  YOUが彼の曲の中で一番好きだって話してた。
Frankie KnuclesがリミックスしたROCK WITH YOUを彼はDJでちょうどプレイしていた世代だと思うし、Frankieのミックスも意識して、さらに自分の気持ちを伝えたかったんだと思います。
僕たちが自覚しているいないにかかわらず、リスナーによっては当然追悼的なイメージでこのアルバムを聴く人もいると思いますが、それも覚悟して制作をリスタートさせました。

参加しているアーティストが多彩です。意外だったのは、冨田ラボですね。
とっても好きなアーティストなんで、一番最初にフィーチャーされているのがうれしかったです。

全員:爆笑
Watusi:そういうファンに向けても今回のアルバムはいいね!

冨田ラボさんはどういういきさつで?
Watusi:知り合い(含み笑い)

知り合い?ですか?
Coldfeet_watusi2 Watusi:彼とは学生時代からの付き合いで、彼は同じ大学の後輩だったんです。こういうときでも先輩と後輩っていうこの関係は崩れないんだな(笑)こういうプロジェクトやるからギター弾いて!って頼んだんです。冨田ラボのアルバムもあって忙しいだろうから、データ送ってくれればいいよ。って言ったんだけど、いろいろと確認したいし、ギター持って行くよって言って、スタジオまで彼が来たんですよ。あれこれ試しながら、「これ、オリジナル、そのまんまがいいよね?1番と2番で空ピックの回数が違うんだけど、それも合わせたほうがいいよね?」って言うから、「それは必要ない」って(爆笑)

今でこそやっている音楽は違いますが、昔は一緒にバンドをやっていたこともあるし、サポートミュージシャンやアレンジ/プロデュースの仕事を一緒にやっていたこともあるんですよ。だから相当長い付き合いですね。

その辺も僕ららしいラインナップになったと思います。冨田ラボとi-depが同じ曲に参加していたり、SOIL&“PIMP”SESSIONSの丈青とMJQのLew Soloffが同じ曲を演奏していたり、今回は随分前からこうした古くからの仲間に声をかけていたんですが、Michaelがあの日に亡くなったことで、ある意味Michaelという重荷を一緒に背負ってもらうことになってしまった。世間では追悼とか便乗しているとネガティブとらえる人もいるだろうから、改めて参加してもらうことに躊躇しました。もし、プロジェクトに参加することを辞めたいのではあれば、遠慮なく言ってくださいということを参加アーティスト20人に対して連絡したのですが、すべての人がこのプロジェクトに前向きに参加してくれることを改めて表明し応援してくれたことはとてもうれしかったです。

選曲について教えてください。
Watusi:カバーということもあって、R&B的なものやアコースティック的なものも入れていいのかなと思ったんですが、元々のテーマはいかにアレンジするかではなく、マイケルをコピーすることでした。Michaelの曲を中途半端にアレンジしても、それはちょっと違うなと思いました。
またこんな曲知っている?っていうマニアックな曲を選曲するより、誰もが知っている曲を選ぶことに徹しました。そのままのマイケルの名曲達のフレーズをコピーしていき、それでも最終的にはCOLDFEETらしいサウンドだねって言われるような仕上がりを模索していました。

アレンジについては原曲に忠実にというお話でしたが、Beat itのアレンジは面白かったです。
Watusi:これはね、今話した最初に決めたゲームルールとから外れてしまったんですよ。

Lori:このカバーアルバムを制作するに当たり、実は一番最初にこの曲から手掛けたんですが、満足できるデモが全然作ることができずにとても悩んだ曲でした。1カ月かかって、まったく方向さえ見えず、結局この曲はやめようと思いました。

Watusi:最初に始めたこの曲ができないために、アルバムができないんじゃないかと思いました(笑)。あとBADも当初うまくできませんでしたね。
いろんなアプローチしたんですが、自分たちの、COLDFEETらしいカラーにならなかったんです。そうこうしているうちにMichaelが亡くなってしまい、あきらめかけていたんですが、やらないわけにはいかないだろうということで、再度チャレンジしたんですが、やはり満足できず、どうしてもうまくいかない。そんな中でLoriが「これ、スウィングしたらいけるんじゃないのかしら?」って言い出して。やってみたら、初めて満足する感じになった。Beat itという原曲を知っていると、ちょっと意外だと思いますし、最初に決めた「アレンジをせず、忠実にコピーをする」というゲームルールは破ることにも結果なってしまった。サウンドも当初は無条件にみんなが楽しめるハウスビート基本で制作しようと思っていたんだけど、最終的には自分たちが持っているすべてのモノを出して向かわないと仕上がらないと感じましたね。

Lori:このプロジェクトのおかげで、自分のやっていることへのジャッジも変わった感じがします。今回はいつもよりものすごく練習をし、歌の録音に臨みました。さらに録音した、様々なテイクを聴きながら、かなり厳しくジャッジしました。このような経験は今までにはなかったことです。やっぱり色んな意味でMichaelは特別ですよ。

お二人にとってMichaelとは?
Lori:ピュアな人。生まれながらにして、音楽そのものだった気がします。

Watusi:最初から音楽そのものだった。他に誰も存在しないOne & Onlyな人だと思います。死後このような語られ方をするアーティストはこれから出てくることはないような気がします。John Lennonが亡くなって以来の衝撃だったような気がします。
MTVで黒人ミュージシャンのビデオが流れるきっかけをつくり、Beat ItではEddie Van Halenをゲストミュージシャンに迎えたりと、興奮する異文化交流を沢山なし得た人でした。普通では考えられなかったことを沢山やり遂げてきた偉大なるミュージシャンです。

Watusiさんからの心のこもったメッセージ

COLDFEET presents MJ THE TOUR trailer(告知映像)

リリースインフォメーション
Michael_jackson タイトル:COLDFEET presents MJ THE TOUR
発売日:11月4日
価格:¥2,800(税込)
レーベル:ROTH PROJECT
規格番号:XNAE-10025

ソングリスト
01. Billie Jean
02. Working Day And Night
03. Rock With You
04. Beat It
05. Thriller
06. The Girl Is Mine
07. Shake Your Body "Down To The Ground"
08. Bad
09. Off The Wall
10. You Rock My World
11. Billie Jean (☆Taku Takahashi Remix)
12. Rock With You (DAISHI DANCE Remix)
13. Shake Your Body "Down To The Ground" (SUGIURUMN Remix)
14. Bad (World Sketch Remix)

10月 28日, 2009 Interview | | コメント (0) | トラックバック (0)

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